スマートフォンの普及が進み、サイトやアプリを使った企業PRの有効性が証明されていることからも、ジャンル問わず様々な企業のアプリがリリースされています。しかし、いまいち企業アプリを導入する流れのイメージがつかめず導入を見送っている方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、企業がアプリを導入する目的やメリット、企業アプリの活用法に、アプリの制作依頼をする際に知っておきたいことを企業アプリの成功例を交えながらご紹介します。
自社アプリを導入する際にはぜひご検討ください。
目次
アプリでブランディングを高める
スマートフォンの普及に伴い、アプリを活用する企業は増えています。
そもそも、アプリが広まったのはどんな目的からだったのでしょうか。
まず企業アプリは目的の違いから主に2つに分類することができます。
① 利便性を高め、サービスを拡張させて利用を促進させるアプリ
② ユーザーへの知名度向上を図ったアプリ
前者①は、実際に購買に直結するため、即効性が見込めます。
後者②は、企業イメージの向上やサービスへの理解を深め、企業のファンになってもらうことができますがすぐに売り上げが跳ね上がるということはありません。
かつては前者①のアプリに比重が置かれていましたが、現在は企業全体の理解を深める重要性が見直され、二種類のアプリを並行して運用することが効果的であるといわれています。
なぜなら、サービスの切り替えや終了し新たな展開を迎える局面も起こるからです。
その時、商品のみを気に入っていた顧客が離れてしまうのに対し、ロイヤルカスタマー(=自社の製品・サービスに対して忠誠心の高い顧客)は次の商品やサービスにも興味を示してくれます。
強固な関係性、信頼性を築くためにも、企業イメージの向上や理解得ることのできる後者②のアプリも非常に重要なのです。
そして②のユーザーへの知名度向上を図るためにはアプリでのブランディングをしていく必要があります。
そもそもブランディングとは、ブランドの持ち味を知って、持ち味を生かしたマーケティングを行い、ブランドの価値を確立して消費者と共通のイメージを作り上げていくことです。
例えば、同じような商品でも高級ブランドを選ぼうと思う人がいるのは、ブランディングが成功しているからですね。
そんなブランディングをすることで、独自性から商品自体に信頼や愛着を持ってもらい、顧客を増やすことで企業の利益が増えます。
ブランドとしての知名度が上がり、イメージが拡充するとそれだけで商品価値が高まるため価格競争を気にする必要がなく商品が売れるようになります。
そして会社のブランド力が高まると、このブランドで働きたいと考える人も増え、優秀な人材の確保も可能となった結果として会社の成功へと繋がるのです。
ちなみにアプリ開発において、ブランディング効果が期待できるのは以下のようなコンテンツです。
・アイコン
・画像
・動画
・テキストコンテンツ
・プッシュ通信
画像や動画、アイコンは視覚的にブランドイメージを消費者に植えつけることができ、アイコンはホーム画面に表示されるものなので、ロゴなどブランドイメージに近いものでアピール可能です。
つまり、アプリならではのコンテンツを活用することが、アプリを使ったブランディングでは大切ですね。
企業がアプリを導入するメリットとデメリット
では、ブランディング効果もある企業アプリを導入するメリットとデメリットをご紹介します。
企業アプリ導入のメリット
そして現在、多くの企業がアプリを導入するようになったのは主に3つのメリットがあるからです。
- プッシュ通知で販促が見込める
まずメリットの1つ目は、プッシュ通知が活用できることです。
プッシュ通知とは、アプリを起動していなくても、スマートフォンに一時的に表示されるお知らせ機能のこと。
プッシュ通知で、タイムセールやクーポン情報を提供することによって販売促進に繋げることができます。
そもそも、プッシュ通知による顧客の開封率は、メール配信と比較するとはるかに高いものです。
実際に購入に至る人は、開封者の中の一部にはなりますが、開封率が高いため商品やサービスが購入される確率をあげることができます。
- ポイントカードとして使える
ポイントカードは基本的にカード発行になりますが、アプリをポイントカード代わりに利用できるところも増えています。
アプリに移行することで企業側にもたらされるのが紙削減によるコストカットでえす。
顧客側もポイントカードを持ち歩く必要がなくなるので、これまでポイントカードの作成を断られていた層からの利用も見込まれるようになります。
またポイントカード所持している人限定の特典などが利用者に活用されることによって、さらなる販売促進に繋げることが可能です。
- SNS連携での集客もできる
SNSと連携しやすいのも自社アプリを活用するメリット。
SNSの普及に伴い、個人発信の情報が盛んになった現代において、口コミは大きなカギを握ります。
アプリと連携させることで口コミしやすい環境となり、SNSからの集客を見込むことが可能です。
企業アプリ導入のデメリット
一方でデメリットももちろん存在します。
- ダウンロードの壁がある
販売促進において効果を発揮する企業のアプリですが、そもそもダウンロードしてもらわないことには意味がありません。
まずはアプリがあることを知ってもらうこと、アプリを利用したくなるような機能を持たせることが重要となります。
そのための広告宣伝費などは必要経費として考えなければなりません。
- 開発に費用がかかる
開発コストは、利用するサービスによって変わってきますが、アプリのコンテンツによっては直接販売促進につながらない割に費用がかかると感じることがあります。
そしてWebサイトよりもアプリ開発のほうが開発コストは一般的にかかります。
アプリはそもそも、早期のリリースを目標に、改修を前提としたものです。
リリース後、不具合が出る可能性、使いにくい可能性があるため、利用者をキープするにはどうしてもアプリを改善していく必要性が出てきます。
つまりアプリ導入すると、アプリの管理や維持が必要で開発だけでなく、アプリを配信し続けるのにはさらなるコストがかかるということです。
アプリ開発会社「Piece」では、必要な機能を必要なだけカスタマイズできるので余計なコストはかかりません。
まずはお試しで導入してみたいというかたもぜひご検討ください。
企業アプリの活用法
ここまで企業側が顧客向けにアプリを提供した場合のメリットとでデメリットを解説してきましたが、企業側が活用したいアプリは顧客向けのものだけではありません。
顧客管理だけではなく、企業の商品を管理するアプリを2つご紹介します。
スマート在庫管理
バーコードやQRコードをスマートフォンのカメラ機能からスキャンして簡単に在庫管理ができるのが特徴。
クラウド型なので、アプリからだけでなく、パソコンからも在庫状況を把握することができます。
さらに件数制限はあるものの無料または月980円からの低コストでの導入が可能。規模に合わせて在庫管理をより便利に済ませることが可能です。
PITTALY
「pittaly」は、本部と店舗が離れている場合に便利な商品発注のためのアプリです。
バーコードの読み取り、または商品リストから商品を選択してデータを送ることで、手軽に商品の発注を済ませることができます。
パソコンのスペースやコストを削減し、スマートフォン1つで完結できるのがポイント。
FAXを利用した発注からの切り替えにも適しています。
注意したいのは、アプリによっては小規模の在庫管理にしか対応できない場合があることです。
クラウドを活用した在庫管理アプリであれば中規模から大規模な店舗での活用も期待できますが、アプリ単体の場合は入力や読み込みの手間もあり、利用は適していません。
中規模以上の企業で在庫管理アプリを導入する場合は、クラウドを利用したプランがあるか確認しておきましょう。
企業アプリを制作するなら
目的によって様々なタイプのある企業アプリですが実際に作成し導入するにはどういった方法があるのでしょうか。
自社で一から開発するという手もありますが、アプリ開発に精通した人材がいなかったり、どのようなアプリにすべきか迷っていたりする場合は、アプリの制作会社に依頼することを検討しましょう。
いざ、アプリ開発会社に依頼するとなってもすべて丸投げするわけにはいきません。
最低でもアプリを動かす環境(iOSかAndroidなのか)・実装したい機能・他社との差別化を考えておく必要があります。
作成前にすること
- アプリである必要性の検討
アプリではなくwebサイトなどでも十分不便なくできることをアプリにしても、それほど大きなメリットはなく開発費や維持費が余計にかかるだけになってしまいます。
例えば、アプリをポイントカードや会員証の代わりとして利用し、購入履歴などからおすすめの商品の安売り情報やクーポンなどを配布し、プッシュ通知で知らせる、アプリ限定の情報やクーポンなどを用意するなど、アプリならではの企画があるのであればアプリ開発に踏み切っても問題ないでしょう。
そして考えている企画をアプリにする意味がはっきりと見出せているのであれば次はそのアプリの1年先、3年先、5年先の展望を考えましょう。
どのくらいのユーザー数が見込めるのか、アプリを活用することで売上にどの程度貢献できるかなど、理想や目標を明確にします。
- 類似企画・アプリのリサーチ
そして似たような業界の会社のアプリや考えている企画に似ているサービスを提供しているアプリのリサーチを行います。
具体的には、アプリのユーザー数や売上・サービスの運用情報・アプリの機能・アプリの管理人数などです。
これらの情報を参考に、自社のアプリの規模をどの程度にするのか考え、先に考えていた展望を修正します。
- 開発や運用、その後のメンテナンスにかかる費用の検討
アプリ開発会社に依頼すれば開発費用がかかりますし、運用にもコストがかかります。
開発にどこまでコストをかけてよいのか、運用にかかる費用はどの程度かなどを検討していく必要があります。
また重要なのはアプリは制作して配信して終わりというわけではない点です。
デメリットでも述べましたが、その後のランニングコストがかかることも頭に入れておきましょう。
企業アプリの作成費用は?
先ほど開発費用運用費のことについて触れましたが、企業アプリの作成費用はどのくらいになるのでしょうか。
アプリの作成にかかる費用は、アプリの内容によって変わってきます。
アプリなどのソフトウェア開発の業界では、人月計算されることが多いのですが、一般的なアプリの開発費の相場は40~50万円/月、より高度なプログラムが必要な場合は80万円/月ほどと考えておくとよいでしょう。
上記に加えてアプリを維持するためには、開発費とは別に運用費もかかります。
アプリを維持するために必要なおもな経費としては、保守メンテナンス代やサーバー代などが挙げられます。
アプリの開発会社やサーバーの管理会社によって費用が異なるので、きちんと聞いて把握しておきましょう。
コストを抑えて企業アプリを導入するには
販促効果で売上・利益増加を見込める企業アプリですが、そうはいっても開発コストはなるべく抑えたいものですよね。
低価格で企業アプリの開発を実現する3つの方法をご紹介します。
- 低価格でアプリを作成してくれるサービスの利用
膨大な数のアプリ開発会社が存在しています。
料金は会社ごとに異なるので多くの会社に見積もりを出すことは大前提です。
また簡単な機能だけのアプリであれば、低価格でアプリを作ってくれるサービスを利用するのもよいでしょう。
初期費用は30万円ほど、運用費は月1~3万円ほどとかなり格安です。
ただ、柔軟性のある開発はできないので、ゲームなど複雑なアプリは作れないと考えておきましょう。
- レベニューシェアできる開発会社への依頼
レベニューシェアとは、定額の支払いではなく、アプリで生じた利益を依頼主と開発会社であらかじめ決めておいた割合に応じて分配することを指します。
レベニューシェアできる開発会社を探し、アプリ自体は0円で作ってもらうというのも、アプリの制作費を低価格に抑える有効な手段です。
- 自社開発する
もちろんアプリ開発会社に依頼をしないという選択もあります。
自分でアプリを作成する能力がある、もしくは勉強してアプリを作ってみたいという人は、自分で開発すれば費用を最低限に抑えることができます。
しかし、個人で開発してアプリリリース後の管理もするとなるとかなり大変ですので、プロであるアプリ開発会社に依頼するのが無難でしょう。
アプリ開発会社の選び方
アプリ導入の目的・ターゲットをしっかり分析してできたアプリの企画。
企画書のイメージに沿ったアプリを開発してもらうためにも、依頼するアプリ開発会社はきちんと見極める必要があります。
どのような点に注意しながら選んでいくべきでしょうか。
- アプリ開発の十分な実績
アプリ開発会社でもあまり実績のない会社が存在します。
十分な実績があるかないかはその会社の判断材料になります。
また、実績があり数をこなしているとアプリのスムーズな開発が可能で、途中で余計なコストがかかってしまうことも少ないと言えるでしょう。
- 自社アプリの所持
自社アプリをそのアプリ開発会社が持っているかというのも重要なチェックポイント。
自社アプリを持っていない会社は、アプリ開発はできるものの、アプリをリリースした後の管理や運用のノウハウに詳しくないため、これらのことを考慮していないアプリを作ってしまう可能性があるからです。
- 得意なアプリジャンルは何か
アプリにはショッピング系・ゲーム系・通話、メッセージ系など様々な種類があります。
アプリのジャンルによっては開発する手順や機能が異なることがあります。
依頼するアプリのジャンルにその開発会社が強いかどうかも調べておくといいでしょう。
- 適正な相場・価格の提供
開発や運用にかかる費用が適正な価格であることも大切です。
明確な理由なしに相場価格より高すぎたり、反対に低すぎたりする会社は、依頼を見直した方がよいでしょう。
最終的に理想のアプリを完成させるためにも開発会社の選択は慎重に行うべきでしょう。
関連記事 「アプリを開発の発注前に知るべきことは?会社選びは要注意!」
こちらはより詳しく開発会社の選び方を紹介しているのでぜひ参考にしてみてください。
まとめ
この記事では、企業アプリについてメリットとデメリット、活用方法、実際に開発する際に重要なことを中心にご紹介しました。
これを機に企業アプリの導入を検討している方は、しっかりと事前準備を行いアプリ開発を成功させビジネスの発展につなげてみてはいかかですか。
そしてその後も修正や改善を行いユーザーから長く愛される企業アプリの運用を目指しましょう。