ビジネスにおいて使われる「BtoB」や「BtoC」という言葉ですが、アプリの開発に関してもこれらの言葉が持つ視点は重要です。
特に、BtoCビジネス向けのアプリはさまざまなお店と消費者を繋いでくれる重要な役目を果たしています。
BtoCのアプリを開発して活用するにあたり、どのようにして消費者に購入を促すかは重要な課題です。
そこで今回は、アプリ開発におけるBtoCについて、また、BtoC向けアプリに必要な機能についてご紹介します。
アプリ開発でも考えたいBtoCってなんのこと?
アプリ開発におけるBtoBとBtoCについて考えてみましょう。
BtoBとは「Business to Business」、企業が企業にものを売ることを指します。
一方、BtoCとは「Business to Consumer」、企業が個人にものを売ることを指します。
この両者間の違いとしてはまず購入までにかける時間が挙げられます。
一般消費者が買い物をする際に、何ヶ月、何年もかけて購入を決定することはあまりありません。
食品にしても家電にしても、1〜2回購入するかを考えたら、すぐに購入するかどうかという段階に移行するでしょう。
しかし、企業相手に商品を販売する場合、何度も会議あり、十分な検討をしてから購入が決定されることでしょう。
なので必然的に購入までの時間が長くなります。
他にも、購入の決済者も異なります。
数千円程度の商品を買うかどうかの判断は大抵の場合、使用者自身の購入の決断をします。
(例外的に子供のおもちゃなどは、子供が使うが、購入の決断は親がするというケースがあります。)
しかし、BtoB(企業相手)の場合だと、上司の許可、部門間の調整、購入に関する調査、たくさんの合意を経て、決裁権を持つ上役が決断し購入に至るでしょう。
実際に存在するアプリをイメージしていただくと、ショッピングアプリや飲食店のアプリなど、BtoBと比べてBtoCのアプリの印象の方が強いという方も多いかもしれません。
というのも、BtoC(一般消費者相手)の場合、TwitterやInstagramといったSNS、メール、実店舗、Youtube、ECサイト、などあらゆる場所が「消費者との接点」になります。
一方で、BtoC(企業相手)の場合は、テレアポや営業メール、過去の繋がり、が接点になるかもしれませんが、TwitterやYoutubeなどが企業同士が繋がる接点になることはほぼないでしょう。
ですが、アプリにはBtoBとBtoC両方のパターンがあり、特に近年BtoBのアプリも増えてきています。
実際にあるBtoBのアプリとしては、顧客管理やスケジュール管理などの管理用アプリ、見積もり作成アプリなどです。
とはいえ、一般消費者に向けたBtoCのアプリの数はもっと多くあります。
twitterやFacebookなどのソーシャルメディアが普及し、スマートフォンでコミュニーケーションをとる人が非常に多くなった今、顧客の身近にあるアプリを活用する企業は少なくないのです。
しかし、なかなかアプリを活用しても商品の認知度や売り上げに繋がらないと悩んでいる企業も少なくありません。
モノやサービスが増え、生活スタイルや趣味趣向が多様化しているこの時代では、テレビやラジオで全ての消費者を対象に一方的に情報を伝えるマスマーケティング のような手法では、顧客が求めている情報を届けることが難しくなるからです。
企業が伝えたい情報と顧客が求めている情報が一致するのが最も好ましい状態でこれを作り出す必要があります。
(これをコンテンツマーケティングといいます。)
多様な考え方をもつ顧客に寄り添い、価値のある情報を制作・発信することで自社の商品やサービス、または会社そのものに関心を持ち、応援してくれるファンを増やすことを目標としています。
その後は、ファンに向けて自社の商品やサービスを購入してもらうためにも、ただアプリの導入をすればいいというわけではなくジャンルごとに必要な機能を絞っていくべきです。
より効果の高い販促アプリを作るにはこの2つに気を付けるといいでしょう。
BtoC向けアプリに必要な機能とは?
上記で指摘した問題も踏まえて、実際にBtoC向けのどんなアプリでも共通して必要な機能について考えてみましょう。
まず、アプリという媒体を使うにあたって有用な機能が、プッシュ通知です。
スマートフォンのアプリをダウンロードしてくれたユーザーが、再度同じアプリを使用する割合をご存知でしょうか。
実は、一度はダウンロードされたアプリでも、1週間経つと8〜9割の人が利用しなくなってしまうという説があるのです。
つまり、せっかくアプリをダウンロードしてもらっても、一度しか使わなかったり、一度も使わずにアプリを削除されてしまったりすることも多々あるということです。
そんなときに効果的なのが、プッシュ通知。
プッシュ通知はスマートフォンの画面に表示されて注意喚起をすることができるので、購入を考えていなかった顧客に意識を向けてもらうことができます。そして、売り上げにも繋がるのです。
プッシュ通知だけがBtoC 向けアプリで必要な機能かといえば、それだけでは不十分です。
従来BtoBで導入することが多かったマーケティングオートメーションの機能は、今BtoCでも注目が集まっています。
マーケティングオートメーションは、今まで人が管理して実行してきたマーケティング活動を自動化し、実行してくれる仕組みのことを指します。
人的コストの削減に繋がることで注目され、BtoBビジネスで先に取り入れられ始めました。
BtoCビジネスにおいては、顧客の数が圧倒的に多い、Webやアプリなど複数の媒体に対応しなければならない、顧客育成をする上で集客に繋がっていないなどの理由から、BtoBビジネスと比べると取り入れられることが遅れました。
しかし、マーケティングオートメーションとアプリを組み合わせた販促活動が一般的になってきたことで、BtoCアプリの導入を考える企業が増えたのです。
では、マーケティングオートメーションとアプリの連動とは、具体的にどのようなものでしょうか。
例えば、アプリを通じて情報を定期的に配信することで、顧客の購買意欲を育てることができます。
また、アプリ内のチャットを用いて直接顧客とやり取りをすることで、営業活動ができるだけでなく、受注まで行うことが可能になります。
このように、マーケティングオートメーションを活用することで、直接さまざまなタイプの顧客からの購入を促進することができ、受注まで繋げることが可能となるのです。
マーケティングオートメーションについてより詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてみてください。
ジャンル別アプリのO2O戦略
先ほど、アプリで販促効果を狙うのならジャンルごとにアプリに必要な機能が異なるということをお話しました。
理由はユーザーのアプリの利用目的も異なるからです。
そこで、プッシュ通知やマーケティングオートメーション以外に必要な機能も合わせて、ジャンルごとのO2O戦略を解説していきます。
外食系アプリ
外食系の販促アプリであればアプリなどのオンラインで情報をみたユーザーがオフラインの実店舗に足を運ぶよう誘導する必要があります。
そこでは、クーポンの配布などのプッシュ通知も重要ですが、メニューのデジタル化も有効です。
どうしてもこの店に行きたいというこだわりがない限り、その時に食べたいジャンルで外食先を決める人が多いのではないでしょうか。
その際、実際にお店に向かっても食べたいと思っていたメニューがなければ落胆してしまいますよね。
それを防ぐためにも、事前にメニューをアプリ上でみれたらユーザーにとっては非常に便利です。
また、予約管理ができる機能もあるといいですね。
多くのお店では、店舗への電話やネット予約など、受信形態が統一されていないのではないでしょうか。
店舗内PCなどと連動させ、受けた予約を即時反映できる機能が便利です。タブルブッキングなどを未然に防ぐこともできます。
そして忘れてはいけないのが、スタンプ/ポイントカード機能です。
ポイントを一定数貯めればクーポン券などど交換できるようにしたり、そもそもポイントカードあるからこの店にしようというようにリピートしてもらえるような効果もあります。
・ガスト
ガストの公式アプリではクーポンの配布をプッシュ通知でお知らせします。
また、先ほど解説したメニューの閲覧や位置情報を利用して近くの店舗も簡単に探すことができます。
ちなみに「ガストアプリ」は宣伝施策を打ったわけでもないのに、リリース1ヶ月で100万ダウンロードを達成するなど、目覚ましい結果を残しています。
その理由の一つには、こういったアプリにつきものの「会員登録」を撤廃し、ダウンロードするだけで使用できるというメリットがあるからです。
美容系アプリ
次に、美容系のアプリに必要な機能をご紹介します。
美容系アプリで例としてあげられるのは、たとえば美容院やネイルサロン、エステサロンなどのアプリです。
必要な機能としてまず予約システムを思い浮かべるのではないでしょうか。
しかし、専用の予約サイトの存在があります。
例えばホットペッパービューティなどの予約サイトを使えば、他店と比較しやすいため、こちらに軍配があがります。
では、美容アプリは制作するメリットがないものなのか、というと、そのようなことはありません。
既存顧客の中にも予約サイトを利用して予約をとる人は少なくありませんが、その理由に注目してみると、アプリ活用のヒントが隠れています。
まず、予約サイトはポイントがつくので、ポイント獲得のためにサロンの前でわざわざ予約サイトから予約を入れる人もいるようです。
しかし、これらは美容アプリでもできる内容です。
独自のアプリにポイントカード機能やクーポン配信、予約システムを導入すれば、利用面での利便性は予約サイトと同程度になります。
さらに、予約サイトではできないような機能も加えれば、既存顧客は予約サイトよりもメリットの多いアプリに移行してくれるでしょう。
例として、ジオプッシュ機能を活用する方法をご紹介します。
位置情報とプッシュ通知を組み合わせたジオプッシュは、設定した位置から一定の範囲内にいる(位置情報共有を許可した)端末にのみ情報を発信できる機能です。
ジオプッシュ機能を活用すれば、予約が少ない傾向のある曜日はサロン付近の顧客にのみ広告を配信するなど、有効な情報を特定の顧客にのみ届けられます。
顧客としてはサロンの近くを通ったついでに予約をせずともサロンを利用でき、サロン側は空き時間を有効活用できてお互いにメリットが生まれますね。
ファッション系アプリ
昨今、アパレル業界が自社ブランドの専用アプリを導入するケースが多くなってきました。
先駆けとなったのは「UNIQLO」「GU」を展開するファーストリテイリング社、GAPなどの大手企業です。
現在では、「ジーンズメイト」「無印良品」など、名だたる企業の多くが自社アプリをリリースしています。
アパレル業界におけるアプリマーケティングは、主に「O2O系アプリ」「オムニチャネルアプリ」の二種類に分かれます。
ネットとリアルの導線をつなぐ「O2O系アプリ」では、オンラインで見た情報や獲得したクーポンなどをきっかけとして実店舗へ集客し購買に繋げるのに対し、「オムニチャネル系アプリ」ではユーザーの生活スタイルに合わせて様々な購入方法、受け取り方法を選択できるシステムを構築しています。
そこでファッション系アプリの機能におすすめなのが、O2Oを促進するデジタルチラシ機能です。
紙媒体のチラシはいちいち確認せず、見逃してしまう方が多いのではないでしょうか。
しかし、アプリ上でチラシがみれるとなれば場所をとる必要もないですし、いつでもどこでも確認できます。
この機能ではチラシをみたユーザーが見つけたお気に入りの商品を実店舗に購入しにいくという流れをつくっています。
また、オムニチャネルとしての店舗ごとの在庫確認や店舗で取り置きの予約もアプリ上できるとより便利になります。
金融系アプリ
今度は方向を少し変えて、金融系アプリについてです。
銀行などでは、1つの手続きに長くかかるといったことや営業時間が短いということで、不便に感じていた人がいるのではないでしょうか。
しかし最近は、金融業界でもアプリの導入でオンライン上で完結できるのは珍しくなくなってきました。
例えばゆうちょでは便利なアプリがたくさんあります。
ゆうちょ認証アプリではアプリ上で送金することができます。
現在は、ゆうちょ同士の送金しか対応していませんが今後他銀行宛の送金も可能になればより便利になりますね。
しかし彼らオンラインユーザーに実店舗やATMも利用してもらうことで、手数料収入などにつなげたいと考える銀行関係者も存在し、彼らにとってはO2O戦略は非常に重要です。
りそな銀行では、顧客の9割以上がATMとネットバンキングを利用しているという調査結果が出ました。
窓口を利用している1割の顧客ではなく、この9割の顧客により効果的なアプローチの必要性を感じたことから、オムニチャネルの開設に至ったそうです。
具体的な手法は、ATMで現金を引き出した際に、特定の顧客に対して広告を表示するというもの。
広告を見た顧客のうち4割が実際に窓口へ問い合わせをおこない、商品紹介を受けた後、その中の2割が購入にまで至っています。
ここから金融アプリでもセグメントをしたうえでの広告配信には効果ががでることがわかりますね。
また、いちいち調べなくてもいいように銀行であれば最寄りの銀行がどこか、地図上で表示できる機能も実店舗につなげるきっかけになるでしょう。
まとめ
いかがでしたか。
今回は、BtoCのアプリ開発の際に必要な機能をやO2O戦略についてジャンル別でご紹介しました。
このように、アプリ開発においてBtoCの視点を持つと、顧客目線でのアプリの活用が重要となることが見えてきます。
プッシュ通知やマーケティングオートメーションなどの他にジャンルごとに合わせた機能を選択することが大事です。
アプリの導入を検討している方は、販促アプリ開発パッケージの「Piece」の利用をおすすめします。
豊富な機能から必要なものだけを選び、かかる費用も選んだ機能の分だけとコストを抑えることができます。
さらにマーケティングオートメーションの機能にも対応できます。
今なら、初期費用が0円なので、まずはお試しにというかたも大歓迎です。
どんなことでもぜひ1度こちらからご相談ください。
機能をカスタマイズできる効果的な販促アプリを導入しさらなる顧客獲得を目指しましょう。