O2O広告を利用して成功する

O2O広告を利用して成功する

O2O広告は、この数年で非常に身近なものとなりました。アプリやウェブブラウザに表示されるバナー広告や、動画の再生中に挿入される動画広告が主流です。今回はこの広告をテーマに、O2O施策の事例や取り組みについて解説します。

 

O2Oを使用した様々なデジタル広告とは?

デジタル広告とは、ネット上で行われる様々な広告活動のことを言います。ウェブブラウザに表示されるバナー広告や動画広告がこれに当たります。スマートフォンやタブレットが登場し、ネットが生活者にとってより身近な存在となった今、ネット上での広告活動は、テレビ離れや新聞離れも手伝って、最も重要な媒体のひとつとして考えられています。

イメージしやすいのは、動画サイト・YouTubeで盛んに再生されるようになった動画広告です。まるでテレビのコマーシャルのようなクオリティで、凝った演出のものも多く流れています。これは、YouTube上のこの広告がどれだけの影響力を持つかを、顕著に物語った結果ではないでしょうか。

また、無料のゲームアプリ内でも動画広告が採用されているものがあります。企業は広告費として再生数に応じた報酬をアプリ開発者に支払う仕組みになっています。

更に、大手デパートの三越伊勢丹は、検索連動型広告を使って来店誘導を実施しています。商圏内で「新宿 セール」など購買意欲を感じる検索を行った人に対して、自店の広告を表示するマーケティングを実施しました。また、駅構内などのディスプレイ広告にGoogleマップを用いた最寄り店舗の地図を表示。顧客に配信し、来店を誘導しました。

 

O2O広告の開発で成功した事例とは?

全く新しい媒体を開発し、O2O施策に役立てる広告商品として販売した企業もあります。駅のサイネージ広告をご存知でしょうか?新宿など、大きな駅で見かけることの増えた、柱に液晶画面がついた媒体です。従来、サイネージ広告ではムービーや静止画を映し出す、簡単なアプローチしか実現していませんでした。しかし、JR東海エージェンシーがネットメディアのITmediaと共同開発した広告商品では、ITmediaに掲載されたPR記事を表示し、視聴者を誘導することができます。

このサイネージ広告が導入された名古屋は、ものづくりが盛んです。関連するPR記事とサイネージ広告を繋ぐことで、もっとものづくりに関して知ってもらおうと実施されました。

 

O2O広告を使用した先進的な成功事例について

イスラエルのコカ・コーラは、身近なものを使ってのO2Oマーケティングに成功しています。売上を7%も向上させたというこの施策は、交通広告を使って行われました。
道路に設置されたコカ・コーラの看板にスマホを持って近づくと、自分の名前がメッセージとともに映し出されます。事前に専用アプリをダウンロードし、表示させたい名前を登録。位置情報と連動して、看板に名前が表示されるという仕組みです。

このキャンペーンが行われた際、アプリは初日にして10万ダウンロードを突破。メディア露出が18,300,000回以上増加、facebookアクセス数は870%増加という驚異的な成果をあげました。

コカ・コーラは日本でも、斬新なO2O施策を多く打ち出しており、成功をおさめています。以前行われたキャンペーンでは、購入したコーラのボトルに明記された年代のヒット曲をアプリを通じてプレゼントし、そのプレイリストをSNSで共有してもらうことによって、宣伝効果を拡大させました。こうした先進的な試みは、世界のコカ・コーラ共通の理念なのかもしれません。

 

中小企業や地方自治体でも活用できるO2O広告!

ここまで紹介したO2O広告は、どれも大掛かりなものばかり。大手企業だからこそできるけれど、中小企業では…とお考えの方もいらっしゃるでしょう。しかし、O2O広告は大規模なものばかりではありません。中小企業や地方自治体などでも実施され、成果を残しています。

小規模な組織でもできるO2Oの一つに、SNSの活用が挙げられます。個人という最小単位でもおこなうことのできるSNSでの発信は、相互のコミュニケーションをとるのに最適です。顧客との距離感を縮め、親近感を持ってもらうことにも役立ちます。

例えば、こんなエピソードがあります。
アメリカのユタ州の理髪店で働いていた男性は、個人ブランディングにインスタグラムを始めました。そこで自身の仕事ぶりや顧客の写真などを発信することで、のちに彼はニューヨークにある理髪店からスカウトされ、成功をおさめることになったのです。

このように、SNSを通じての情報発信は、たった一人でも、大きな効果を生み出します。
小規模な組織がO2Oをおこなう際に大切にしたいのが、スピードです。のんびりしていると、競合他社が同様のO2O施策を取ってしまうかもしれません。どんなに優れた施策であっても、追随する形では本来の成果を得ることはできません。迅速に行動に移すことがカギとなります。
また、「LINE@」など低価格でO2Oを導入できるサービスを積極的に取り入れていくのもよいでしょう。

O2O広告を使ったマーケティング戦略は、ネットに触れる機会の増えた今、大きなマーケットとなっています。SNSなどを使うことで、本来の何倍もの効果が期待できることもあります。大掛かりな宣伝活動は難しくても、顧客とのコミュニケーションを密にとることで、ロイヤルカスタマーを増やすことにも繋がります。大企業の施策や最新のO2O技術、また海外の事例から学ぶことで、自社の規模でもできるO2Oを模索していくことが大切です。