近年、デジタル化が急速に進む中でDXやO2O、オムニチャネルなどの言葉を耳にする機会は増えたのではないでしょうか。
特に小売業界では、実店舗とオンラインをつなげるためECサイトやアプリの導入をしています。
ポイントカードやプッシュ通知、位置情報を活用して購買行動を促進する効果を生み出しています。
また、不動産業界や金融業界など企業やサービス全体のデジタル化はできていない業界でも、アプリの導入などデジタル化を進める動きがあります。
しかし、ある特徴をもつ企業では思うようにアプリ開発が進まないことが多々あります。
それは、縦割り組織の企業です。
そこで今回は、縦割り組織の種類と特徴、縦割り組織がアプリを開発する際に陥る罠、その解決方法を解説していきます。
実際に縦割り企業でアプリ開発を進めている方や、検討している方はぜひ参考にしてみてください。
企業そのもののデジタル化
冒頭でもお伝えした通り、デジタル化が急速に進んでいるのは現在のコロナ禍という状況も大いに影響しているといえるのではないでしょうか。
外出や対面をできるだけ避けようとする結果、ウェブなどオンライン上でことが済むほうが安心ですし効率も上がります。
ですが、デジタル化にスムーズに移行できるのかは業界によって様々です。
例えば、金融業界や不動産業界にはどういった印象があるでしょうか。
どちらも対面でのサービスをが中心の業務です。
本人確認や必要な書類がたくさんあったり、契約が必要な場合もありますね。
しかし2020年、「対面での契約」や「対面重要事項説明」といった規則や慣習は金融庁や国土交通省主導で急速な見直しが進んでいます。
つまり、今まで対面でしなければいけなかった業務もアプリやシステムの開発でオンラインでできるようになる可能性があるわけです。
そして今後は、本質的なユーザー体験の最大化のためにはオフラインとオンラインの垣根をなくしあらゆる顧客接点を複合的に考えていくべきだといわれています。
そのため、今までデジタルを導入できなかった業界もサービス全体をデジタル統合し企業の窓口をアプリが担える状態にしましょう。
縦割り組織がアプリ開発で陥る罠
そんなアプリ開発は既存のサービスをデジタル化するだけにとどまりません。
今では、企業そのものやサービス全体をデジタル化にする動きがあるというお話をしました。
その場合、アプリ開発会社はクライアントから受け取った仕様書通りにアプリを開発するだけなのでしょうか。
開発側は、どのようなアプリを作るのかという「目的」を一緒に考えていくのが重要です。
また、企業そのものやサービス全体をデジタル統合するアプリを開発するのであれば、クライアント先の多岐にわたる部門との連携が必須になってきます。
つまり、部門を横断するコミュニケーションをしていく必要があるのですが、ここに縦割り組織が陥る罠が存在します。
それは、縦割りという組織形態をとっているが故の部門ごとの連携がしにくいという問題です。
では、縦割り組織とはそもそもどういった組織形態を指すのか、またなぜ縦割り組織であると部門ごとの連携がしにくいのか詳しくみていきましょう。
縦割り組織の種類
まずは縦割り組織とは、どのような組織形態のことを指すか解説していきます。
主に3つに分かれています。
職能別組織
この職種別組織とは、例えば「営業」「企画」「物流」「人事」「総務」などといったように職種ごとに組織がある形態のことを指します。
担当分野を分けることで中小企業の場合は効率よく対応することができ、機能的に。
しかし、大企業の場合はどうでしょうか。
全国に支社が広がるなど大規模展開をしている企業だと、事業も幅広いことが想定されます。
どのような役割をもった人が集まる組織かというところに重点を置いているため、様々な事業を展開している場合は、同じ部署に異なる業務担当者がいることも。
具体的には、「営業」といってもBtoCなのかBtoBなのか1つにまとめられませんよね。
この例よりもっと細かく事業が存在しているなど、展開している事業は多ければ多いほど、部署内での把握は共有、担当者がいない場合の対応に困る可能性があるといえます。
事業部制組織
こちらは職種別採用とは異なり、事業部ごとに営業や企画、開発などの役割をまとめる組織のことです。
この組織形態のメリットは3つあり、まず1つ目はゼネラルマネージャーが育ちやすいという点です。
職種別組織であれば役割ごとにわかれているので、1つの職種に特化したリーダーが生まれるのに対し、事業部制組織では事業の全体を見渡すことができます。
そのため、全体的な視野をもつゼネラルマネージャーや次期経営候補者が育ちやすいというメリットがあります。
2つ目は、責任の所在が明確であるという点です。
事業部制組織では、各事業部ごとに権限が付与されます。
よって事業部長は大きな権限をもち事業部内では自由に行える代わりに、長としての利益責任を負うことになります。
そして最後は意思決定や意思疎通が迅速に行える点です。
事業部制組織ではその事業ごとに市場調査や分析、販売、経理を行うため事業部内の状況の把握はスピーディに行えます。
マトリクス組織
最後はマトリクス組織です。
マトリクス組織とは、職能・事業・エリアなどの要素を組み合わせる組織形態を指します。
仮に職能とエリアを組み合わせた場合、社員はそれぞれの系列に配属される形になります。
職能でいうと、企画部門かつエリア部門でいうと関西エリアに属し、各々の上司の指揮下で業務を進めるということです。
つまりマネージャーを例に挙げると、マネージャーはある事業部に属しつつ、職能別の部門にも属するのでスキルを同時に磨くことができます。
このように、マトリクス組織は職能別組織と事業部制組織をあわせもった特徴をもつことがわかりますが、その分組織する難易度も高いと言えます。
縦割り組織の特徴
そんな縦割り組織の特徴は組織間の連携の非効率性を挙げられます。
この記事では職能別組織を縦割り組織と定義します。
その際、「営業」や「企画」、「生産」といった組織のつ独立性が高く、組織間での協力体制は希薄な状態に陥ります。
また、同じ会社にいながら部門が異なると全く知らないという状態もありえるでしょう。
仮に「営業部門」で顧客との問題が起きた場合、その問題は商品やサービスにを企画する「企画部門」のスケジュールにも、実際にそれを生み出す「生産部門」のスケジュールにも支障をきたすことになります。
そして、その問題が部門間でうまく伝達されない場合、事業全体の遅れになり最悪、特定の部門に責任をなすりつけさらなる対立を生む可能性もあります。
話を戻して、こんな社内の状態で企業そのものやサービス全体ののデジタル統合ができるでしょうか。
アプリ開発をする際、開発側はアプリの「目的」をクライアントと一緒に明確にする必要があると述べましたが、そのためにときには、クライアントのチームビルディングから関わることもあります。
つまり、「営業」や「企画」、「IT」などプロジェクトに関わる全ての部門の垣根を壊すところからスタートするのです。
このように、アプリ開発をすると決まって、開発より前段階の部門ごとの連携という課題から始めているようではアプリのリリースまで時間がかかってしまいます。
また、アプリ開発のときだけではなく、常日頃から組織間でのスムーズな意思疎通のためのコミュニケーションを行うことができれば、業務効率が向上するだけではなく、組織としての結束力も深まるといえるでしょう。
この、スムーズな意思疎通を可能にするのはズバリ社内アプリを導入することです。
連携力を高める社内アプリの導入を
社内アプリとは自社専用の業務アプリです。
無料チャットアプリのように、社内で手軽に業務連絡などに利用できる連絡ツールなどのことです。
重要事項を1度に共有できる機能や、社内の該当する関係者のみが閲覧・編集できる機能などもあり非常に便利ですね。
この社内チャットアプリを導入することで、スケジュール管理もできるので業務の偏りをチェックすることでより有効的な人材配置を可能にします。
また、連携不足の原因として挙げられるのはコミュニケーション不足です。
日頃、重要事項はメールを利用している場合、些細な事をわざわざ報告するのは気が引ける・・・というシチュエーションもあるかもしれません。
しかし、その「些細な事」が実は重要事項であったりはしませんか。
社内チャットアプリはより気軽に連絡できるので情報の伝達がスムーズかつ、詳細な把握ができるようになりますね。
そんな社内チャットアプリの導入なら、ジョーカーピースにお任せください。
アプリの開発だけではなく、現状把握や解決策の提案、アプリ開発の要求事項整理含むコンサルティングや、アプリの立ち上げシステムサポートなどのコミュニケーションまでトータルサポートを行います。
また、幅広い業種・業界やテーマに関する豊富なアプリ開発の実績とノウハウがある弊社では、社内チャットアプリだけではなくECサイトのアプリ、企業公式アプリ、会員証アプリの開発も可能です。
アプリ開発に関することでしたら些細なことでもぜひ1度こちらからご相談ください。
まとめ
いかがでしたか。
今回は企業やサービス全体をデジタル化で統合していく必要性と、そのアプリ開発をする際に縦割り組織が陥る罠を縦割り組織の特徴から解説しました。
そして、そんな縦割り組織がよりスムーズにアプリ開発を行うためには、部門をこえた連携が必要不可欠であることがわかりました。
アプリ開発のときだけではなく、常日頃から部門ごとの連携を強化し、よりスピーディに意思疎通を行うためにも社内チャットアプリを導入の検討をしてみてはいかがでしょうか。