アプリ開発の界隈の中で注目されつつあるPWA。
Webとアプリを融合したハイブリット型のアプリであると噂では聞いたものの、 実際にどのようなものであるか、理解している人は少数派ではないでしょうか。
そこで、今回はPWA開発について、メリットやデメリットにも触れて詳しくご紹介します。
目次
PWAとネイティブアプリの特徴
最近話題のWeb上で表示するPWAと、端末にダウンロードして利用するネイティブアプリ。
どちらも開発の方法や環境が異なっていますが、これらの機能の利点を統一したアプリである「PWA」が、近年新しく台頭してきました。
ネイティブアプリとは
ネイティブアプリとは、簡単にいうとAppストアやGoogle Playなどでダウンロードするアプリのことです。
そしてネイティブアプリはなんといっても、オフラインでも操作できることがメリットです。
ネットの接続に頼らずとも、端末自体で処理が行われるため、Webサイトよりも早く、快適に ページが表示されます。
ホームにダウンロードされた後は、ユーザーに対してお得な情報やサービスを発信できるため、エンゲージメントを高める戦略が立てられます。
ネイティブアプリをゼロから開発となるとコストがかかってしまうという反面、今日ではアプリ開発のためのツールも提供されているため、 工夫次第でコストを抑えることもできます。
PWAとは
もう一つはPWAです。
PWAはProgressive Web Appの頭文字をとった略称で、HTML、CSS、Javascriptを使用して制作されます。
Webサイトでありながらアプリのような操作を体感できるというものです。
アプリストアからインストールする必要がなく、ネットワーク環境がなくともスムーズに利用できるのが特徴です。
2015年ごろ、Googleがブラウザアプリからのコンバージョンを改善するために、 PWAの実装を始めたことがきっかけとして注目されるようになりました。
PWA開発が注目される背景
モバイルアプリは開発から運用・保守まで、さまざまなコストが発生します。
アプリの認知度を上げようと広告費をかけることもあるため、常にアプリ開発者を悩ませています。
また、モバイルアプリの数が急増したために、ユーザーが自分に合ったアプリを見つけられず、 なかなか新しいアプリに目を向けることが困難な状況になっています。
PWAはアプリストアを介さずに、 Webサイトをホーム画面に入れることで、アプリと同じような操作を体験できる特性を持っています。
わざわざインストールするほどではない場合でも、できれば操作性がいいほうがいいですよね。
また、最初はインストールの必要性を感じなくても、PWA版を使用しつづけているうちにダウンロードを考えるユーザーがでてくるかもしれません。
つまりPWAとアプリは独立しているのではなく、関連づいているものというわけですね。
そんなPWAは2018年の3月からSafariでも対応できるようになったため、PWA開発はさらに期待が高まっていくでしょう。
PWAを開発するメリット・デメリット
Webとアプリの両方の良い側面を取り入れているため、ユーザーにとって扱いやすく、 コンテンツの操作に対するストレスを少なすことができるPWA。
そんなPWAを導入するメリットとデメリットをご紹介します。
PWA導入後のメリット
・インストールの手間が省ける
本来ストアを通してアプリをインストールすることが当たり前でしたが、 ダウンロードにかかる時間や通信量がかかり、場合によっては離脱につながる要因ともなります。
PWAはインストールの時間を省き、通信量を必要以上に使うことを最小限にします。
・Webよりもページの読み込みが速い
キャッシュを利用することで、ページを表示する速度が早くなり、快適にコンテンツを操作することができます。
ページの読み込み時間が3秒を超えるユーザーは閲覧を諦めるといったデータもあるので表示速度がはやいほど直帰率も下がります。
・ホーム画面にアイコンを追加できる
Webサイトをホーム画面に移すと、アプリのアイコンのようなものとして表示されます。
ホーム画面に入れておくことで、ログイン回数の増加を促すだけでなく無意識のうちに目に入ります。
わざわざ検索から調べるより格段にアクセスしやすくなったといえます。
・アップデートが不要
アプリの更新があるたびに、従来はストアの審査が必要でしたが、PWAは自由に更新することが可能です。
アプリの更新に対するハードルも下がり高頻度で内容を改善することでユーザー満足度の向上にもつながるでしょう。
・端末に関係なく使える
通常のアプリは端末のOSごとに依存して作らなければならなかったところ、PWAはWebサイトであるため、端末に縛られることなく開発できます。
そのため開発期間もコストも格段に抑えることが可能です。
・スムーズな公開
PWAはアプリとは異なるため、公開前にアプリストアで審査を受ける必要性がありません。
ガイドラインに沿って内容を調整する手間もありませんし、完成したものはすぐに公開できるというのは制作者側にとって大きなメリットといえるでしょう。
PWA導入後のデメリット
・アプリと運用していると、管理コストが2倍かかる
既に自社のアプリを持っている場合は、同時にPWAを導入したWebサイトと運用しなければならないため、必然的に管理のコストがかかります。
とはいえ、PWAとネイティブアプリは関連性がありPWAからのアプリダウンロードの流入も見込めるので同時に運用しているほうがより効果的であるといえます。
・新規ユーザーに接触できる機会が少ない
アプリはストアを通して見つけられますが、PWAは接触できる場面がWebページに限られてしまいます。
つまりもともとの興味がある人にしか認知されず、偶発的な出会いの機会はほぼないでしょう。
この理由からも、PWAを単独で運用するよりネイティブアプリと併用するべきでしょう。
・一部のブラウザでは使えない
PWAではService Workerを実装して開発されますが、一部のブラウザでは対応できないことがあります。
また、PWAはhtppsを前提にした技術であるということに注意してください。
httpで構成されているウェブサイトの場合全体をhttpsに変更しなくていけないので、導入の手間が追加でかかる可能性があります。
実際の導入事例
注目されてはいるものの、開発にいたってはまだ事例が少ないため、他の技術と比べるとなかなか手に出しづらい状況です。
そこで今回は少ない事例の中でも2つご紹介します。
SUUMO
大手物件検索サイトのSUUMOは2015年にPWAを導入しています。
スマートフォン用ウェブサイトにウェブブラウザの最新技術を利用したことでプッシュ通知が実装されました。
これで、アプリをダウンロードしていないユーザーでも条件にあった物件のプッシュ通知が受け取ることができ、素早く反応ができるようになりました。
そしてこの導入のおかげで、ページの読み込み時間が約75%減り、プッシュ通知の開封率は約31%増えたそうです。
日経電子版
日本経済新聞は独自のアプリの他に2017年にPWAを導入しました。
このおかげで表示速度のスコアは2倍、読み込み速度の改善を実現しました。
こういった主に速度面に関する向上がみられた結果、ユーザビリティも向上しオーガニック流入が約2.3倍、会員登録数がなんと約58%も増加しました。
PWAを導入するだけで読み込みスピードが上がり、それがユーザー獲得につながることがわかりましたね。
PWA開発よりもネイティブアプリ開発が良い?
PWAでも十分便利ではるものの、ネイティブアプリはなんといっても、オフラインでも操作できることがメリットです。
ネットの接続に頼らずとも、端末自体で処理が行われるため、Webサイトよりも早いPWA、それよりも早く快適に ページが表示されます。
ダウンロードされた後は、ユーザーに対してお得な情報やサービスを発信できるため、エンゲージメントを高める戦略が立てられます。
「ネイティブアプリのほうが高い販促効果は見込めるかもしれないけどその分開発比費用が・・・」
このようにお悩みはありませんか。
そんな方におすすめなのはアプリのパッケージ開発です。
アプリのパッケージ開発
もし初めてのネイティブアプリ開発を考えているのであれば、アプリのパッケージ開発がおすすめです。
パッケージ開発とは、アプリをゼロから作るのではなく、すでに用意されている機能からいくつか組み合わせて作るものです。
ネイティブアプリをゼロから開発となるとコストがかかってしまいますが、アプリのパッケージ開発をすればコストは抑えることができるでしょう。
アプリ開発パッケージの「Piece」(https://jokapi.jp/)はアプリのカスタマイズ性に優れ、必要な機能を後から追加することも可能です。
とりあえず、アプリの導入をしてからその結果に応じて他の機能の導入を検討したい人にもおすすめです。
また、初期費用が0円ではじめることができるので導入費用を済ますことができるのもうれしいポイント。
PWAだけでは物足りなさを感じる人、もっとアプリの機能を充実させたい人、ぜひご検討ください。
まとめ
PWAはWebとアプリの利点を取り入れた新しいアプリの形であり、ユーザーにとって使いやすい機能や操作を拡張できることがメリットにあります
一方でネイティブアプリは現在まで数多くのアプリが開発され、端末の機能を最大限に活かしたサービスを作ることが可能です。
どちらのメリット・デメリットも考えたうえで最適な方を導入できるようぜひこの記事を参考にしてみてください。