便利なアプリや注目されるアプリ開発も重要ですが、アプリ開発において最も慎重にならなくてはならないのがセキュリティ対策です。
そもそもなぜセキュリティ対策が重要なのでしょうか。
アプリ開発でのセキュリティ問題と、セキュリティ対策について考えていきましょう。
アプリ開発で起こるセキュリティ問題とは
スマホアプリの開発は、法人に限らず個人でも行いやすい環境になっています。自分の作ったアプリが世の中で注目を集めることも夢ではありません。
しかし、アプリを開発するうえで注意したいこともあります。
それはスマホアプリのセキュリティ問題です。
セキュリティ対策が十分でないとトラブルに発展したり、信用を失ったりするリスクがあります。
まずはアプリ開発で起こり得るセキュリティ問題について確認してみましょう。
情報源に使われる可能性
セキュリティ対策ができていないと、アプリ内のデータストレージや不適切な暗号化などで、アプリから情報が意図せず抜き取られる可能性があります。
アプリが情報源に使われてしまうということです。
不正アプリの誘導に使われる可能性
アプリにはユーザーの操作に合わせてポップアップが表示されるものがあります。
セキュリティ対策が不十分であると、ポップアップが不正に使われ、不正なアプリなどへ誘導される可能性があります。
ウイルスによる攻撃の可能性
開発したアプリを媒介してユーザーのスマホがウイルスに感染することがあります。
種類にもよりますが、ウイルスに感染すると正常な動作ができなくなったり、場合によっては情報を盗まれたりすることも少なくありません。
このようなセキュリティ問題を避けるためにも、セキュリティの穴を埋めて、脆弱性を作らないセキュアコーディングが必要です。
アプリの脆弱性チェックのポイント
アプリの脆弱性は、基本的に目に見えて現れることが少ないため、アプリを実行しただけでは分かりにくいものです。
アプリの脆弱性を知るには、チェックツールなどの専用ツールの利用を考えていく必要があります。
手軽なチェックツール
とにかく手軽にチェックしたいときに便利なのが、IPA(情報処理推進機構)のAnCoLeです。
脆弱性についてIPAで報告されることの多い、アクセス制限の不備、不適切な権限の取得など7つの項目をチェックすることができます。
また脆弱性の学習ツールとしての役割も持っており、脆弱性が生まれる原因・対策について学ぶことも可能です。
フリーダウンロードで利用できるのもポイント。
ただし、Android用アプリの学習・チェックツールになっている点は注意したいです。
iPhoneなどのiOSアプリには対応していません。
専用チェックサービスで詳細な内容を
AnCoLeは手軽にチェックしやすい面で便利ですが、iOSの脆弱性チェック、詳細な脆弱性のチェックの面で心配に感じる人もいるでしょう。
WEB上で利用できるチェックサービスもあるので活用してみてはいかがでしょうか。
APK解析などによって、外部への不正送信、重要な情報の暗号化の有無、不正行為の有無、逆コンパイルができるかどうかなど項目をより詳細にチェックできます。
セキュリティに落とし穴があるというのは、アプリ利用者はもちろんアプリ開発者にとっても問題です。
特に個人情報を扱うアプリや複雑なコーディングのアプリほど、このような専用のチェックサービスを利用して脆弱性がないかチェックすると良いでしょう。
セキュリティ対策としての実施内容
アプリ開発にあたってどのような脆弱性があるかツールを使って知ることも大切ですが、脆弱性をなくすまでがセキュリティ対策です。
セキュリティ対策としてはどのような点に注目するべきか、注意したい3つのポイントをご紹介します。
アプリの連携機能は必要最低限に
アプリの連携機能が原因となって脆弱性を生み出すことは少なくありません。
外部アプリとの連携は便利な機能ではありますが、連携を無駄にし過ぎないことも大切です。
例えば連絡先や写真などアプリには必要ないものと連携機能を付与すると、連携が原因で情報がもれることがあります。
パスワード設定を考える
ユーザー側で設定するパスワードを複雑にする工夫も必要ではありますが、アプリ開発の段階でできることもあります。
アプリ起動の際にユーザーがパスワードを入力するよう設定する、一定時間でログインが無効になるように設定するなどです。
データの暗号化を行なう
端末の記憶装置にデータを保存する場合、暗号化を行なわないままだとウイルスなどに情報を読み取られる危険性があります。
アプリ内でデータの暗号化を徹底するよう注意することが大切です
このようにみていくとセキュリティ対策はそこまで難しいものではありません。
基本的なセキュリティ対策も多いです。
アプリ開発においてセキュリティ対策は必須です。
セキュリティ面で厳しいイメージのあるiOSでもウイルスの報告はあるので、iOS、Androidに限らず対策は必須だといえるでしょう。
大きなトラブルを引き起こさないためにも、チェックツールなどもうまく利用して、パスワードの連携など基本的なところからセキュリティの見直しを行っていきましょう。