アプリマーケティングを成功させる秘訣は何と言ってもアクティブユーザーを増やし、いかに継続的にアプリを使ってくれる人を増やすかということでしょう。
そこで離脱率を下げるためのリテンション施策(流出防止)があります。
今回は離脱率、リテンション施策の種類と事例についてご紹介します。
アプリを運用している・今後導入を検討している方はぜひ参考にしてください。
アプリの離脱率はどのくらい?
自社コンテンツとしてアプリを提供している会社には、絶対に確認すべきポイントがあります。
それは、アプリの離脱率です。
離脱率とは、ユーザーがアプリをインストールしたあと、一定期間経ってアクティブではなくなる確率のこと。
アプリをダウンロードしたユーザーの8〜9割は、1週間後にはすでに起動しなくなるといわれています。
まずは、一般的なアプリの離脱率を確認しましょう。
ジャンルごとに異なる離脱率?
アプリの離脱率は、提供しているジャンルによって大きく異なります。
例えば、ゲームやビジネス、ソーシャルなどのジャンルでは離脱率が低いです。
長く遊べるゲームや毎日違うニュースをチェックできるビジネス、友人とつながれるSNSなどは、時間が経っても離脱されにくいといえるでしょう。
一方、離脱率が高いのは飲食、旅行、エンタメなどのジャンルです。
特に飲食や旅行などのアプリは必要なときにダウンロードし、用が済んだら使われなくなる傾向にあり、継続して使用してもらうには、特別な対策が必要となるでしょう。
ちなみに、リテンション率の計算式はこちらです。
リテンション率(%)=継続顧客数÷新規顧客数×100
計算してみて具体的な数字を出すことで今後の改善に役立てることができますね。
離脱率が高くなる原因
離脱されやすい・されにくいジャンルがあるのは事実ですが、離脱率が高いアプリには共通の原因があります。
以下の項目に当てはまるほど、離脱率の高いアプリといえるでしょう。
・使いにくい
・広告がたくさん出る
・プッシュ通知が多すぎる
・信用性に欠ける
情報がスマホ向けに整理されているのがアプリのメリットといえますが、ゴチャゴチャしていて見づらかったり、操作方法が独特だったりすると、使いにくく離脱率は高まります。
また、使おうとすると広告が頻繁に出てくる、必要以上にプッシュ通知が鳴るというのもユーザーが離れるポイントです。
特にアプリの場合はインストールするよりアンインストールするほうが簡単に行われるということも意識しておきましょう。
利益につなげたい気持ちは理解できますが、ユーザーの気持ちになって考えることが必要になりますね。
さらに、提供している情報の信頼性が低いと、使用するに値しないと判断されて離脱率は高くなるでしょう。
例えば、みなさんは口コミを活用した経験はありませんか。
購買行動ではアプリや商品の認知はすでにしていて、その後の購入というステップにおいて他社の製品と比較・検討が行われます。
その中で、一番信頼度が高いのが同じようなユーザーからの評価です。
この口コミで評価が低いと、該当するアプリの信頼度が下がり離脱に繋がるというわけです。
リピート率をあげてアプリ離脱率を下げる対策とは
まずリピート率とは、今までに購入やサービス利用した全ての顧客を対象に、当月のリピート顧客数で割ったときに算出される数字をさしています。
よって、計算方法は以下のとおりです。
当月のリピート顧客数(人)÷累計新規顧客数(人)×100=当月のリピート率(%)
一方で間違いやすいのが、リピーター率です。
リピーター率とは当月内に店やサービスを利用した顧客を当月のリピート顧客数で割ったときの数字で計算方法は以下の通りです。
当月のリピート顧客数(人)÷当月の総顧客数(人)×100=当月のリピーター率(%)
つまり、リピート率は「今まで利用してくれた人のうち、再び利用してくれた人」をさします。リピーター率は「当月利用してくれた人のうち、再び利用してくれた顧客の数」です。
リピート率やリピーター率が高ければ高いほど、顧客が商品やサービスに満足しているということ。新規開拓のように宣伝費をかけなくても購入してくれる顧客の存在は、店舗やサービス維持には欠かせない存在です。
アプリをインストールしたユーザーのリピート率やリピーター率を上げ、ユーザーが流出しないようにする手法のことをリテンション施策といいます。
リテンション施策を行うことで1ユーザーあたりの平均利用率や継続利用率を上げることができ、せっかく苦労して獲得した新規ユーザーを失わないで済みます。
アプリマーケティングというと、新規ユーザー獲得ばかりに目が行きます。
しかし、新規ユーザーばかりを追いかけ、リテンション施策をしていないとコストを掛けてダウンロード数は稼いだものの、アクティブ率が低いなんてことにもなりかねません。
企業としてはいかに継続して利用してもらうかが大きなカギになり、アプリを辞めかけているユーザーには継続利用してもらうように、 休眠ユーザーには復帰してもらうようにアプローチすることが大切でしょう。
リテンション施策の流れ
そんなアプリの継続率に重要なリテンション施策はどのように行えば大きな効果が得られるのでしょうか。
①ユーザー分析
まずはユーザーのアプリの使用状況を分析します。
毎日使用しているのか、一週間に数回使用しているのか、全く使用していないのかなどです。
異なる使用状況なのに同じリテンション施策をおこなっても意味がありません。
それぞれのユーザー状況に合わせたアプローチを行うためにもこの分析は重要といえるでしょう。
②リテンション施策の分類
①でユーザーの分析を行ったらそれぞれに効果的なリテンション施策を行います。
リテンション施策は主に「活動促進を促す施策」と「休眠復帰を促す施策」に分類できます。
活動促進を促す施策は多少はアプリをチェックしているユーザー向けので、常に新しい変化を与え、飽きさせない必要があります。
休眠復帰を促す施策はほぼアプリを使用していない、もしくは全く使っていないけどアンインストールもしていないユーザー向けです。
このような休眠の状態からユーザーに再びアプリに興味を持ってもらうためには、企業側も相当な努力が必要になります。
まずは、ユーザーにとってお得だと思える情報や、知っていると便利、使えそう、楽しそうだと思ってもらえる情報を多く伝える必要がありますね。
リテンション施策の具体例
リテンション施策の流れがわかったところで実際にリテンション施策を考えてみましょう。
先ほど述べたように、使用率が異なるユーザーにはそれぞれに合わせたリテンション施策を行うことが効果的です。
さらに機能の充実やデザインの良さだけではなく、顧客に明確なメリットを実感してもらわなくてはなりません。
- 活動促進を促す施策
アクティブから休眠に向かいつつあるユーザーに対しては、アプリにログインすることでメリットを得られる仕組みを構築するのがおすすめです。
例えば、ゲームでは毎日ログインすることで役立つアイテムがもらえるキャンペーンなどが効果的といえます。
毎月何日になったらくじを引くことができる、当たりがでたら次回のお買い物時に金券として使うことができるなどのメリットもあればユーザーも常にわくわくします。
ほかにも、デザインを定期的に変えるとユーザーは飽きません。
このような仕組みにしていると、変化を楽しむためにもアプリを開くようになりアクティブ率を上げることができるでしょう。
- ユーザーオンボーディングの敷居を下げる
ユーザーオンボーディング(user onboarding)とは、アプリやサービスを初めて利用するその最初の1回で離脱してしまわないようするプロセスのことです。
例えば、新規登録で登録しなければならない情報があまりにも多すぎたり、サインアップするための手順があまりに複雑である場合、ユーザーはその途中で離脱してしまいます。
また、この一番初めの記憶が定着し、2度とアプリやサービスを利用と思わなくなってしまう可能性もあります。
それを防ぐためにも、ログインやアカウント作成を最短ステップで済むことができるようにする工夫を施したり、SNS連携を有効活用するのも一つの手です。
また、使い方を実際にアプリを使いながら学習できるようなチュートリアル等導入するとユーザーはいちいち離脱して使用方法を調べる必要がなくなるでしょう。
- ロイヤルカスタマーへの特別感の提供
他にも、リテンション施策の一つとしてロイヤルカスタマーに対するものもあります。
アプリやサービスの短期間利用ではなく、長くリピートするようなファンになってもらうためには何が必要でしょうか。
それは、特別感を与えることです。
例えば、クレジットカードでも会員ランクとして採用されていることが多くありますが、「ロイヤルカスタマーであるからこそ特別なサービスや特典がある」と他の人とは違うスペシャル感の用意です。
具体的には、ロイヤルカスタマー限定の機能や特別に選任のサポーターをつけるなどが挙げられます。
- 休眠復帰を促す施策
アプリの使用率をまた上げるにはアプリを使うことのメリットを伝える必要があります。
方法として例えば、プッシュ通知によってお得な情報を提供したり、リテンション広告を表示したりといったものが一般的です。
ただし、プッシュ通知が多すぎるとユーザーは疎ましく感じてかえってアプリをアンインストールしてしまうかもしれません。
プッシュ通知を送信する時間や頻度を考え、適切なタイミングを図りましょう。
プッシュ通知についてはこちらの記事でまとめてあります。
ぜひ参考にしてみてください。
またアプリをインストールしていることすら忘れている可能性もあります。
そういった場合はアプリ上での告知やアピールにすら気づかないので、ウェブでの告知や、店舗などリアルでも訴求を行う必要があるでしょう。
例えば広告において消費者の心理を理解して販促活動を行うのと、行わないのとでは影響と効果に大きな違いが生まれます。
こちらの記事では購買行動の流れに沿ってそれぞれの段階で最適な心理を活用したアプローチを紹介しているのでぜひ参考に。
まとめ
今回はアプリの離脱率と、対策としてのリテンション施策についてご紹介しました。
効率的かつ継続的にアプリの盛り上げや売上の最大化を図るためには、新規開拓をするより多くの休眠ユーザーを復帰させる方が実は効率がいいのです。
そしてユーザーに長く使いたいと思ってもらえるためにも工夫が必要です。
アプリのアクティブ率を継続するためには離脱率を下げる施策も重要ですが、そもそもアプリ自体が離脱率の低いものである必要があるといえるでしょう。
「Piece」ではカスタマイズ性が高く使いやすいアプリの作成を行えるので必要に応じた機能を導入することができます。
また、あとから機能を付け加えればでその都度変化が生まれ新鮮さが増します。
導入のための初期費用も0円でまずはお試しでというかたにもおすすめです。
これを機に必要に応じてリテンション施策を行い、ユーザーにとって魅力あるアプリに改善しましょう。