ここ数年で耳にするようになった「O2O」。
しかし、「O2Oって何?」と意外とO2Oについて聞いたことはあるけどよく分からないという人も多いのではないでしょうか?
誤解されやすいのですが、O2Oは取引のあり方ではなく、実はマーケティングに関する用語です。
今回は、O2Oの特徴、O2Oマーケティングの方法、導入方法や実際の成功事例など、いまさら聞けないO2O戦略を初心者にも分かりやすく解説します。
さらに、アプリを利用したO2O戦略の立て方までご紹介するので、あなたのビジネスに役立つこと間違いなしです。
ぜひ参考にしてください。
O2Oとは?オム二チャネルとの違い
O2O(Online to Offline)とは、Webサイトやアプリなどのオンラインから実店舗(オフライン)に顧客を誘導する企業活動を指します。
スマートフォンの普及にともない、アプリやWebサイト、SNSなどを利用するユーザーが増えていることからO2Oの広がりが加速しています。
このO2Oとよく比較されるのがオムニチャネルです。
オムニチャネルとは、顧客の誘導を行わず、オンラインとオフラインの垣根を取り払って連結させる試みのことです。
実店舗で受けられるサービスをインターネット上でも可能にすることが目的です。
ECサイトと実店舗で共通したポイントや顧客情報を管理することで、顧客はオンラインとオフラインの区別をすることなく自由に買い物を楽しむことができます。
O2Oの特徴
そんなO2Oはいったいどんな特徴をもっているのでしょうか。
O2Oが可能にする4つのことについてご紹介します。
・新規顧客の獲得
新規顧客の獲得をすることができます。
SNSやWebサイトを使ったリアルタイムな情報発信は不特定多数のユーザーに一気に情報を届けることができます。
店舗や商品を知ってもらう認知のきっかけになり、新規顧客の獲得を狙うことができるでしょう。
・再来店促進
再来店促進させることもできます。
例えばWeb上で商品や在庫情報の記載と同時に店頭で使えるクーポンをアプリやWebサイトで配信するというものがあげられるでしょう。
そして関心のあるお客様はそれを見て実店舗へと足を運んでくれます。
・顧客一人ひとりに合わせた販売促進
顧客一人ひとりに合わせた情報を発信することができます。
WebサイトやテレビCMのなどは、誰が見ても同じ内容の情報になってしまいますが、店舗アプリなら使っているユーザーに合わせて発信する情報を変化させることができます。
Youtubeなどの検索する人に応じて表示される動画の傾向が変わることをパーソナライズ機能と言います。
このパーソナライズ機能により、顧客のニーズに寄り添った情報をダイレクトに届けることができるので、より効果が高い販促活動ができます
・マーケティング効果の分析しやすさ
ホームページやアプリなどによる集客や市場調査、販売促進などを行うオンラインマーケティングがあります。
このマーケティングの手法はホームページ・ダイレクトメール・オンラインクーポンの発行・SNS・バナー広告などが挙げられますが、成果を分析するのは簡単ではありません。
アクセス解析やさまざまな数値の分析が必要になり、その分野に詳しい人がいなければ十分な情報の吸い上げができないからです。
一方でO2Oマーケティングであれば、最終的に実店舗に足を運んでもらい、クーポンを使って購買行動をとってもらえば、クーポンの発行数と購買数を突き合わせることで測定が簡単にできます。
O2Oマーケティングの種類
新規顧客や既存顧客どちらにもアプローチが可能であり、パーソナライズ機能をもち、効果の分析が簡単という特徴があることがわかりました。
ではその具体的なO2Oマーケティングの方法として以下のようなものがあります。
・クーポン型
ネット上でクーポンを配布することで、クーポンが使える実店舗に顧客を誘導する方法。
メルマガなどでクーポンを配布の他にも、最近ではLINE@やSNSから簡単にクーポンの配信を行う方法もあります。
もっとも一般的なO2Oの施策といえます。
・オンラインショップ連動型
実店舗とオンラインショップの連携を進める施策。
オンラインショップと実店舗どちらもある場合は、ポイントを一括して利用できるようにしたり、オンラインで注文した商品を店舗で受け取れるようにしたり、という施策が考えられます。
実店舗とオンラインショップの情報を連携させることで、顧客は便利に利用できるようになります。
・ゲーミフィケーション型
ゲームのような達成感や楽しみを利用した施策。
実店舗へ来店するごとにポイントを進呈して、ポイント数によって顧客のレベルが上がっていくといった方法です。
楽しみながら、実店舗へ誘導させることが可能になります。
・位置情報活用型
スマホに標準装備されているGPSを利用した施策。
指定した場所に来た顧客にプッシュ通知をしたり、クーポンを配信したりする方法です。
オンライン上の施策とはいえ、距離が近いところにいる顧客へ直接アプローチできるので、実店舗への誘導をより効果的に行えます。
・SNS活用型
顧客によるSNSの発信と、店側のSNS発信を十分に活用する施策です。
顧客にSNS発信を促したり、店舗のSNSアカウントを通じて顧客と交流したりすることで、実店舗への誘導を図ることができます。
O2Oアプリの成功事例
O2Oの特徴や可能にすること、種類も様々ありますが次に実際にその特性を生かして成功したアプリの事例をみていきます。
ニアリ(NEARLY)
株式会社ipocaが提供するこのアプリは特定のエリア内にいるユーザーに来店を促す、位置情報を活用したO2Oの販促アプリです。
ユーザー側は興味のある店舗をフォローすると、そこからのチラシやセール情報をプッシュ通知で得られるようになります。
店舗によっては購入時だけでなくゲームや来店だけでもポイントが獲得でき、そのポイントは店舗の買い物で利用可能。
一方、店舗側ではエリア内にいる購買意欲の高い潜在顧客に対して効率的にチラシやセール情報を発信できます。
同じ商圏にある複数の店舗がニアリに加盟することで、自社だけで販促するよりも顧客に関心を持たれる可能性が高くなるのです。
位置情報を活用したアプリについてもっと詳しくしりたい方はこちらを参考にしてみてください。
ガスト(すかいらーくアプリ)
ガストの公式アプリでは、顧客の年齢や性別、居住地や子どもの有無などの情報に応じたガストクーポンを提供していることが特徴です。
近隣のお店を検索できたり、来店するたびにポイントが付与されたりなど、顧客にとってたくさんのメリットのある機能がついています。
例えばメニューをスマホ上で事前に確認できる機能も便利ですね。
配信されるタイミングも顧客の属性に基づき、クーポン情報がプッシュ通知されるため、効率よく来店促進をすることができます。
マクドナルド
マクドナルドでは、有効期限内であれば何度も利用できる割引クーポンを配信しています。
ハンバーガーの単品は20円~50円割引され、店頭価格より5%~15%引かれ、これがさらにセット商品になると20円~120円割引となり、最大で25%引かれます。
その他にも誕生日限定で小学生以下のお子様にお得なクーポンや期間限定のクーポンを配信するなど、 さまざまな種類のクーポンを取り揃えています。
また最近は「モバイルオーダー」のサービスを始めました。
これは事前に商品を注文しておくことで、店で注文の列に並ぶ必要をなくすというものです。
もちろんお得なクーポンも利用できます。
ローソン
コンビニエンスストアのローソンはLINE公式アカウントを使用したユニークな施策を行っています。
人気商品の半額クーポンを先着150万人に配布したところ、実際に、10万人が店舗に引き換えに来たのです。
その来店した顧客の7割以上が、半額クーポンの商品だけではなく、他商品も合わせて購入したということで店舗への導入と購買に結びつけた成功例といえます。
またアカウント内ではローソン公式クルーのあきこちゃんとの会話やゲーム、占いもしてくれるそうです。
ユニクロ
ユニクロは、AIがユーザーに合った買い物のアドバイスをしてくれる「UNIQLO IQ」が大きな特徴となります。
売り上げランキングから、人気の商品を紹介してくれたり、 おすすめのコーディネートや、トレンドワードからマッチした商品を見ることができたりします。
チャットボットによるやり取りをすることや、リアルタイムで在庫確認ができたりするのも、これまでのアプリとの違いです。
RFIDタグを採用し、商品一つ一つのデータを観察できるシステムを作り、ユーザーが実店舗に来店しやすい環境を整えています。
ユニクロが送信している時間限定のクーポンなども、来店を促進するのに有効な方法です。
O2Oアプリの導入方法
こういったアプリを使ったO2Oによる戦略を考える際、一体どのくらいのコストがかかるのか?という部分が一番気にかかるのではないでしょうか。
O2Oと一口にいっても、ホームページの運営やECサイトの開設(または、総合ECサイトへの参加)、SNSのアカウント創設、ネット広告など選択肢は様々です。
SNSアカウントは無料で取得できますが、プロにライティングを頼むのであればコストがかかります。
また、ネット広告や各種サイトの運営コストは20万程度から上は青天井というのが現実です。
そこで、かかる費用別でおすすめの戦略を紹介していきます。
①LINE公式アカウントの利用
費用対効果が高いO2O戦略はLINE公式アカウントを使うことです。
無料ではじめられるフリープランから3つの料金プランがあり、その後はメッセージ通数に応じた課金システムです。
生活に馴染んでいるアプリである始めやすさとLINEアプリのユーザー数も多いため目にとまりやすいというメリットがあります。
使い方は、LINE公式アカウントを作成して、そのアカウントをフォローしてくれたユーザーにお知らせを送ったり、クーポンの配布等ができます。
ターゲットの属性や反応率も計測できるので、うまく利用してPDCAを回していくことが大切です。
ただ、搭載されている決まった機能しか利用できないので、独自で行いたい施策があっても実現できないことがある点はデメリットと言えるでしょう。
②アプリ制作会社への依頼
もう一つはアプリ制作会社に依頼をして販促アプリを導入することです。
販促アプリとは、販売促進を目的とした企業オリジナルのアプリのことで、企業の公式サイトと違うのは、新規顧客の獲得よりも既存顧客の囲い込みに重きを置いている点です。
獲得したユーザーに適切なタイミングで適切なプロモーションを打つことができ、より効果的な販促ができるでしょう。
例えば下記の様な機能を追加することが可能です。
- プッシュ通知・・・クーポン配布などをリアルタイムで通知
- お知らせ・・・クーポンやキャンペーン情報をピックアップ
- クーポン・・・店頭で使えるクーポン画面を配布
- フライヤー・・・新商品など配信したい情報を一挙に紹介
ユーザーごとにターゲティングして、プッシュ通知を送ったり、位置情報を利用してクーポンを送信したりと、拡張性も高いといえますね。
しかしアプリ制作会社に依頼するとなると費用は一概にはいえません。
機能や依頼する会社ごとにも異なるので、複数の会社で見積もりをするといいでしょう。
アプリ制作に関してはこちらも参考にしてみてください。
③アプリ制作プラットフォームの利用
自社開発となると機材や人材の確保にコストがかかり、莫大な予算が必要になり、手間やノウハウへの不安もあります。
そんな時、頼りになるのがアプリ制作プラットフォーム。
簡単にいえばアプリの開発ツールのことで、プログラミングが全くわからない人でも、誰でも簡単にアプリを作成できます。
今回お勧めするのは「Piece」というアプリ開発パッケージです。
オープンソースを利用しているため、簡単な編集作業で自社開発ができ、初期費用は0円です。
また、4つの基本機能(プッシュ通知/お知らせ/クーポン/フライヤー、チラシメニュー)は月額1万円の維持費のみで作成可能です。
オプションとして既存の機能をカスタマイズして追加したり、新しく独自の機能を共同開発することも可能。
実際にPieceを用いて作成したアプリを導入した企業では、集客が5%もアップした結果も出ています。
ちなみにアプリ開発で失敗しないための、始める前に知っておくべき情報・目的を明確にするためのステップを「アプリ開発虎の巻」を公開中!
販促アプリ開発に大いに役立ててください。
まとめ
いかがでしたか。
O2O戦略について特徴、マーケティングの種類、O2Oアプリの成功事例と導入方法についてご紹介しました。
これでO2O施策を練る上で知識は完璧になったのではないでしょうか。
ぜひこの記事をオンラインからオフラインへの実店舗への来店促進を効果的にうみだせるようなアプリの制作に役立ててくださいね。