どの業界においても競合他社が乱立する現代。マーケティングの競争も激しくなるばかりです。
そんな現代においては、短期的な収益だけに注目するのではなく、長期的にファンを増やすことが、企業の発展にとって重要になってきています。
今回はそんな考えのもとに生まれた「ロイヤルカスタマー戦略」について詳しくご説明します。
ロイヤルカスタマー戦略とは
スマホやパソコン、タブレットなど、消費者がもつデバイスが増加したことや、インターネットが発達したことで、マーケティング戦略を考えるのも一筋縄ではいかなくなりました。
マーケティング競争も激しさを増す中、まずは「選ばれ続けるブランド」を意味するブランドロイヤリティを高める必要があります。
優良顧客を現代では「ファン」「リピーター」「信者」というような呼び方をしますが、まさにそれらの顧客を生み出すためにこのブランドロイヤリティを高めていく必要があります。
顧客とって価値のあるサービスを提供し、企業の魅力を伝え続けることで自然にブランドロイヤリティを高めることができます。
そしてブランドロイヤリティが高まることで「売れ続ける会社」になります。
そんなブランドロイヤリティを高めることができると注目されているマーケティング戦略に「ロイヤルカスタマー戦略」というものがあります。
ロイヤルカスタマーを育てることができれば、その企業やサービス・商品の安定した収益アップに貢献してくれるのではと期待されているのです。
では、そもそも「ロイヤルカスタマー」とはどんな顧客のことを指すのでしょうか。
その企業や・サービス・商品に高い忠誠心を持ってくれているまさにファンのような顧客です。
具体的な行動でいうと、「繰り返し商品やサービスを購入してくれる顧客(リピーター)」「第三者に宣伝してくれる顧客」「競合他社の商品やサービスに浮気をしない顧客」ということができます。
ブランドロイヤリティが高く多くのロイヤルカスタマーを持つ企業はたくさんありますが、身近かつ最も有名な例はAppleでしょう。
顧客は、その企業の商品やサービスに対して「思い入れ」「価値」「愛着」を感じることで、何度も同じ会社を選び続けてくれます。
新作iPhoneが出るたびに購入する人はあなたの周りにも一人くらいはいるはずです。
その人がまさにロイヤルカスタマーなのです。
質の高い商品やサービス、企業の理念と共感できる、愛着がある、思い入れがある…
そのようなきっかけで優良顧客になった方は、
ときには、何度も商品を選び続けてくれる「リピーター」になり、
ときには、商品やサービスを応援してくれる「ファン」になり、
ときには、商品やサービスに信仰心をも持つ「信者」になったりと、
あなたの会社を助け続けてくれます。
そして、このこのロイヤルカスタマーを育てられるかどうかが、企業の発展ができるかどうかにかかっているといわれています。
ロイヤルカスタマー増加のメリット
ロイヤルカスタマーの増加は、顧客の離反率を下げることであり、それは収益性の増加にダイレクトにつながります。
また、ロイヤルカスタマーの存在は長期的に安定した利益を出すことにも貢献してくれます。
例えば、リピーターやファン、信者といったロイヤルカスタマーは一般的な顧客と比べると「客単価」が高い傾向にあります。
一回の買い物でも、優良顧客はその会社の商品の中でもより良いものを選ぼうとしますし、数ヶ月間の買い物でも、ロイヤルカスタマーはECサイトや店舗に何度も訪れ買い物をします。
その会社の中で最も高価な商品を買う、または商品を何度も買ってくれる顧客は客単価の向上に大きく貢献してくれます。
毎週supremeのECサイトにアクセスし高額の商品を物色する人、部屋中に無印良品の製品を置いている人はあなたの周りにはいませんか?
そんな顧客がその企業を支えています。
更には、ロイヤルカスタマーの存在が新規顧客獲得にも影響があります。
彼らは商品やサービスを購入してくれるだけではなく、その商品を「SNS」や「口コミ」で紹介してくれます。
あるときはTwitterやFacebookなどを商品の良いところを書いて投稿してくれるでしょう。
またあるときは、家族や友人、職場の同僚などにおすすめしてくれるでしょう。
このようにロイヤルカスタマーが商品やサービスの宣伝をしてくれるので、無理に広告を打つ必要がなくなります。
また、口コミやSNSによる商品紹介は「買わされている感」「押し売り感」がなく購入に対するハードルが下がります。
街を歩けば至る所に看板があり、Youtubeを見れば数分に一回広告を見せられ、Webサイトを閲覧すれば画面の上下左右に広告がチラチラ見えている。
そんな大量の広告を日々見ている現代人にとって広告は自分を疲れさせる存在です。
新規顧客の獲得だけでなく、次のロイヤルカスタマーを獲得したいのであれば、口コミやSNSによって自然に商品やサービスを知ってもらえるようになるべきでしょう。
逆にロイヤルカスタマーがいないということは、顧客の離反率が高いということ。
常に新規客を取り込む必要があり、人口が減り需要が落ちこむ今、新規客だけで経営を維持するのは厳しいものがあるでしょう。
では、そうすればロイヤルカスタマーを育てることができるのでしょうか。
ロイヤルカスタマーを育てるには「驚き」と「満足感」を高めることが必要だといわれています。驚きと満足の両方を同時に感じてもらうことで、他の人にも話してみたい、紹介したい、拡散させたいという欲求が生まれるのです。
その欲求は「口コミ」として現われ、それを見たり聞いたりした人が新たにロイヤルカスタマーになる好循環が生まれます。
アプリ制作におけるロイヤルカスタマー戦略の重要性
ロイヤルカスタマーを育成するには、「現場からのアプローチ」と「Webからのアプローチ」の両方が必要だといわれています。そして、その両方のアプローチを支えるのが「アプリによるアプローチ」です。
■現場からのアプローチ
店舗がある立地や環境などのハード面と、接客サービスなどのソフト面の両方が必要です。
特に重要視されるのが「接客」。お店や商品・サービスに興味を持ってもらいファンになってもらうには、まずスタッフに親密さを感じてもらわなければいけません。
また、ローヤルカスタマーを優遇するような施策も有効だといわれています。
他のお客さんと差別し、特別感を感じてもらうことで、さらなる付加価値を感じてもらうことができます。
■Webからのアプローチ
ホームページや、SNSなどを活用して、店舗に足を運んでもらう前から、商品やサービス・ブランドに親しみを持ってもらうことで、商品の購入へとつながります。
また、SNSの拡散効果も無視できません。
SNSやインターネットを日常的に行っている方は、商品を購入する前に口コミを検索するなど、ネット上の情報に重要性を感じていることも多いです。ま
た、Web上で見て購入してくれた顧客は、自分がWebで発信する場合が多いと言われていて、ここでも好循環が生まれます。
■アプリによるアプローチ
上記の現場とWeb両方のアプローチと組み合わせることで、さらなる相乗効果を生むのが「アプリによるアプローチ」です。
アプリに、お客さんが使い続けるほどにメリットが生まれるような施策を搭載していれば、長期的に店舗に足を運んでもらったり、拡散してもらったりすることが可能になります。
例えばアプリの「プッシュ通知」機能を活用して、お店のセール情報やクーポン情報を配信することができますし、「スタンプ機能」で来店するごとにお得感を感じてもらうことができます。
ロイヤルカスタマー戦略を行うための方法
ここでは、ロイヤルカスタマー戦略を実行する具体的な方法を見ていきます。
■1.ロイヤルカスタマーの定義づけ
まずは、自社にとってロイヤルカスタマーとはどんな顧客を指すのか、具体的に定義づけをしましょう。例えば「毎月来店する顧客」や「半年に1回だがたくさん購入してくれる顧客」など、一貫したロイヤルカスタマー戦略を実践するためにできるだけ具体的な数字などで定義しておくことが重要です。
■2.カスタマージャー二ーマップの作成
カスタマージャー二ーマップとは、お客さんが商品を買うまでの体験を細かく予測し可視化する方法です。カスタマージャーニーマップを作成する方法は様々ですが、以下の4つのステップで行うのがおすすめです。
・ペルソナ像の設定
・ペルソナの行動を予測
・顧客に参加してもらい仮説検証
・フレームワークの決定
お客さんと企業の接点を可視化することで、お客さんの「驚き」と「満足」のポイントを探ることができるので、顧客のロイヤリティをあげることに繋がります。
■3.ロイヤルカスタマーの定期的な分析と成果確認
実際に何か施策を行ったのなら、その効果を定期的に確認し、分析することで初めてその戦略や施策を評価することができます。
効果分析の場面でも役に立つのが「アプリ」です。アプリのいいところは、顧客の行動をアプリで管理できるところにあります。「Piece」でアプリ制作をすれば、制作だけでなく効果分析が簡単にできておすすめです。
顧客に自社のファンになってもらう「ロイヤルカスタマー戦略」。ロイヤルカスタマーを増やすことで、長期的に収益性のアップを図ることができます。SNSやホームページといった施策だけでなくアプリを活用するのがロイヤルカスタマー育成の近道です。
まとめ
いかがでしたか。
今回はブランドロイヤリティを高めるために重要なロイヤルカスタマーの存在、そして彼らが生み出す企業への利益とロイヤルカスタマー戦略について解説しました。
他社との差別化をするためにも今後このブランドロイヤリティという要素はさらに重要になってくることが予想されます。
いつでもどこでもなんでも手に入る時代になっただけに、商品の違いだけではなく購買体験を消費者が求めてくるといえそうです。
そんな時代の流れに瞬時に対応できるよう、すぐにこのロイヤルカスタマー戦略を取り入れてみてはいかがでしょうか。