スマートフォンの普及により企業側も「採用アプリ」を開発して、新卒者の確保に力を入れています。こうした採用アプリを活用すると企業側の負担も軽減するのがメリットです。どのように負担が軽減されるのか事例から確認してみましょう。
採用アプリの需要
いまやスマートフォンを保有する大学生は100%に迫る勢いです。それに伴い、就活も従来のパソコンを利用したものからスマートフォンへとシフトしつつあります。
パソコンと違ってスマートフォンは簡単に外へ持ち出せます。バッテリーが長持ちし、常に電源が入っているので画面をすぐ見ることができます。メールの着信やプッシュ通知にも気づけます。何よりも直接会話したいときに電話できるのが強みです。就活では企業の情報収集やエントリー、スケジュール管理、地図の閲覧などに使われています。
一般財団法人雇用開発センターが2018年卒の大学生を対象に調査したところ、スマートフォンをメインにして就活を行ったのは全体の1/3に及びます。パソコンを使わずスマートフォンだけで就活を行った大学生も7.6%いました。逆にパソコンをメインに就活した大学生は全体の2割程度で、特に女性のほうがスマートフォンをメインにしているようです。(http://www.earc.or.jp/release/img/enquete21_sokuhou.pdf )そもそもパソコンを持っていない大学生もいます。
こうした事情もあり、スマートフォンで操作できる「採用アプリ」の需要は高まっており、実際に専用の採用アプリを公開している企業も増えています。例えば以下の企業です。
マクロミル
Android
iPhone
マーケティングリサーチの企業です。アプリだけなく自社サイトや各種SNSでもエントリーを受け付けています。
JAF
自動車のロードサービスでおなじみの企業です。
インターンシップ募集も採用もアプリで!どんな事例が?
マクロミルやJAFのように、多くの企業の採用アプリは既存のプラットフォームをカスタマイズして独自の機能やコンテンツを追加しています。プッシュ通知のようなOSに備わっている機能はもちろん、SNSとの連携やツールの組み込みによる拡張も可能です。
特に後者は採用における企業の負担を軽減してくれます。事例として、一口に就活生といっても企業によっては内定者がいる一方で、インターンシップもいるかもしれません。その両方をサポートするにはそれぞれの担当者が必要で、人員を確保する手間や費用がかかります。
近年、注目を集めているMA(マーケティング・オートメーション)ツールを応用すれば、こうしたグループ分けを自動的に認識してくれます。通知したい相手にだけ通知することができるのです。もちろんメールで一括送信するときのような「BCC」を「CC」にするミスも発生しません。
同じくMAツールの応用でエントリーした就活生のアクセス解析を行うと、その頻度から脱落者や内定の辞退者をいち早く把握できます。その分だけ本当に就職してくれそうな志望者に対して集中できるでしょう。採用に至るまでには半年から1年の長丁場になります。採用アプリが就活生にとっても企業にとっても大きなサポートになるはずです。
採用アプリの実際の活用事例「サマンサタバサ」
「日本一楽しい会社」を標榜するアパレルブランド「サマンサタバサ」でも新卒の採用アプリを活用しています。
自社サイトに就活向けのページは無く、エントリーはマイナビを経由します。それとは別に採用アプリを用意しているのは、大手の就活サイトと切り離して差別化を図るためです。採用アプリのインストールや利用によって熱意を見極め、本当にサマンサタバサで就職してくれる大学生とだけ深く関係を構築できます。
採用アプリにはマイナビよりも濃い企業情報やインタビューを見られるだけでなく、プレスリリースや経営理念など面接で聞かれそうな内容も確認できます。もちろんアプリからのエントリーも可能でプッシュ通知付きです。スケジュール管理もできます。つまりサマンサタバサへ就職するための情報収集が採用アプリ一つで可能になるのです。
先述の事例と同様にサマンサタバサの採用アプリも既存のプラットフォームをカスタマイズしています。AndroidとiPhoneというOSが異なるスマートフォンへの配信を同時にできたり、管理画面を直感的に操作できたり、利用状況の分析もできたりするのが強みです。
このようなプラットフォームを活用すれば一から採用アプリを制作するよりも割安で、素早く公開できるメリットがあります。必要な機能を組み込むのも簡単です。
採用アプリを導入すれば、多くの学生に利用してもらえる可能性があります。一度インストールしてエントリーしてくれたら、企業側も熱意に応じた無駄のないコミュニケーションを取れるようになるでしょう。またツールの追加で複数のグループを管理できるようになるなど採用における負担を軽減できます。導入においてはアプリ開発会社が提供するプラットフォームを利用すると簡単で費用も抑えられます。Pieceもアプリのカスタマイズに強い企業です。