「ブランディングとは何か?」
「ブランディングの役割は何?」
そんな疑問を持たれている方に向けて、今回はブランディングの解説と、ブランディングの役割について解説します。
商品があふれ出ている世の中になった今、商品だけではなく「そのブランドから購入する」という付加価値が必要になっていきています。
是非この記事を参考にして、ブランディングの確立から始めましょう!
目次
ブランディングとマーケティングの違い
ブランディングとマーケティングの特徴を答えることはできますか。
まずは両者の違いから説明していきます。
マーケティング:自社の商品やサービスの良さを顧客に伝える活動
ブランディング:自社の「思ってもらいたい」イメージを顧客に持ってもらうための活動
例えば、ブランディングとマーケティングの違いはよく、「人間関係」をあげて説明されます。
自分(自社)の魅力を相手(顧客)伝えるのがマーケティング、相手が自分(自社)の魅力を分かってくれるのがブランディング。
上記の図だけを見てしまうと、マーケティングに悪いイメージを持つかもしれません。(自分で言うな!となるような発言と態度)
しかし、企業側が何のアクションも取らずに顧客が企業の良さに気づいてくれることはほぼありません。
いい商品なのに売れていないということが起きるのはこれが原因です。
したがって自社の商品やサービスの良さを積極的に伝えていくことも重要なことです。
ブランディングは多くの会社にとっては必要なもの
ブランディングをせずにしっかりと利益を出している会社もあり、必ずしもブランディングが必要というわけではないでしょう。
しかしながら、優れたブランディング戦略があれば集客や販促活動に有利に進めることができます。
「〇〇と言えばあれ」そう思われるようになれば、高額な広告を打ち出さなくとも勝手に人は集まってきます。
もちろんブランドイメージが浸透するまでには時間とお金をかける必要がありますし、すでにライバルがいる場合は難しい戦いになるでしょう。
ですが、自社が「思って欲しいイメージ」を顧客が共有してくれたとき、それは大きな資産、ブランド・エクイティ(ブランド資産)になるでしょう。
同じコーヒーでも、スターバックスとセブンイレブンでは価格が違います。
それは、提供している価値による価格差もありますが、その会社のブランド・エクイティ(ブランド資産)による差もあります。
では、もう少しイメージしやすいように実際に成功しているブランディングの実例をご紹介します。
1:レッドブル
レッドブルは、1978年にオーストリアで生まれた会社で、日本に参入したのは2005年のことです。
レッドブルといえば「翼を授ける」という謳い文句が有名で、あなたも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
レッドブルは他のエナジードリンクとは違ったところで勝負に出ています。
従来のエナジードリンクの掲げた「疲労回復」ではなく、「力を発揮する」「力が漲る」といったイメージです。
また、レッドブル創業者はレッドブルは単なる飲料水ではなく「エキサイティングな体験であり、スリルや冒険である」と明言しているのも特徴的ですね。
これこそ、レッドブルの優れたブランディングであり、ポジショニングであるといえるでしょう。
レッドブルは、製品に含まれている成分や効果で宣伝を打ち出すのではなく「翼を授ける」と言うシンプルなメッセージで、力を与えてくれるというイメージを確立しました。
さらに、レッドブルは積極的にスポーツイベンの協賛を行っており、
スノーボードやサーフィン、BMXなどのエクストリームスポーツとスポンサー契約を結んでいます。
レッドブルと競技のイメージがマッチし「エクサイティングな毎日」「翼を授ける」という独自のイメージ(ブランドポジション)を築き上げています。
他のエナジードリンクと比べ、200mlで275円と強気な価格設定を行っているが、その優れたブランディング戦略により2019年の売上本数は全世界で75億本となり大成功を収めています。
2:スターバックス
スターバックスは、コーヒーを提供するカフェブランドであることは誰もが知るところであるでしょう。
しかし、2011年にスターバックスのロゴから「Coffee」の文字が消えセイレーンの絵だけになりました。
(見出し下にある画像がまさにそれだ)
それが意味することは「スターバックスは、コーヒーを提供するお店でなく、空間や心地よさを提供するビジネスである」ということを明確にするためです。
それが証拠にスターバックスは、バリスタ(店員)の育成に力を入れています。
一般的な飲食店やカフェなどよりも圧倒的に長い時間(一人80時間)を教育を施しているといわれています。
その結果、高い接客と居心地のいい空間を作ることができ、他のカフェとは違うスターバックスという確立した一つのブランドとして、宣伝や広告を打ち出さなくともサービスを広げていくことができますね。
3:モスバーガー
モスバーガーは、マクドナルドにつぎ業界第2位の地位を保ち続けている企業です。
モスバーガーは堅実な経営と優れた差別化戦略により、その地位を守り続けるに至っています。
提供までのスピードや価格にこだわる他のファストフードと違いモスバーガーは「美味しさ」に焦点を当て「日本人の好みのハンバーガーを提供する」という理念のもと食材にこだわったハンバーガーをつ売り続けています。
日本人に合わせ「牛と豚の合い挽き」「国産100%へのこだわり」そんな食材へのこだわりが、他のファストフードとの差別化に大きな力を貸しており、それこそが「おいしさを追求する」モスバーガーのブランディング価値です。
また、モスバーガーは地域に密着した形での商品開発を得意としており、ご当地メニューなどもこだわったものが多く「日本人向け」というコンセプトを忠実に実行している企業であるといえます。
ブランディングが必要とされる4つのわけ
実際のブランディング例で理解したかと思いますが、企業の持つ「ブランド・エクイティ(ブランド資産)」がもたらす4つの効果についてより詳しく紹介します。
1:差別化
2:広告宣伝機能
3:プレミア価格
4:リピート
1:差別化
「オシャレで高機能なパソコンと言えばMacBook」
「画像・映像制作のソフトならAdobe」
というようなブランド・エクイティ(ブランド資産)があれば、多くの場合でその商品が選ばれるでしょう。
他社との違いを感じさせることで、顧客が商品の購入を検討している際に自社のサービスが第一候補として上がる可能性が高くなります。
2:広告宣伝機能
すでに、多くの人に認知され、ブランド・エクイティがある場合、それだけで広告宣伝の機能を発揮します。
新商品や新サービスを発売する場合も、既存のブランド・エクイティに絡めて販売することで消費者に受け入れられやすく、選ばれやすい商品になります。
3:プレミア価格
ブランドの価値があるからこそ、同カテゴリーの商品より高単価での販売が可能になります。
4:リピート
「いつも買っているから」
というように無意識にいつもと同じ商品を買ってしまうということは誰にでもあると思います。
そのブランドに対しての安心感があるからこそ、迷ったときはそのブランドの商品を選んでもらえるようになるでしょう。
まとめ
いかがでしたか。
今回はブランディングとマーケティングの違いについて、実際にブランディングに成功した企業を例にあげてご紹介しました。
ネットが発達し、商品の購入を考える際に簡単に値段を比較することが可能になりました。
類似商品であればより安くで手に入る方を選ぶのは自然な流れだといえます。
しかし、企業でブランディングを確立していれば、そのブランドから購入するからこそ意味があると感じる人も増えていきます。
競合企業との差別化としても、商品そのものだけではなく付加価値が必要になっているこの時代に対応すべくまずはブランディングの確立から目指してみるのはいかがでしょうか。