従来の情報発信の手段はホームページや企業のWebサイトなどに限られていましたが、近年ではSNSや「企業アプリ」と行った選択肢が出ています。
自社情報や商品情報の紹介、問合せ、ポイント機能(ポイントカードの代替)、サービスの事前の予約機能、などをひとまとめでアプリ化することで、実店舗への集客や企業のブランディングを行うことができるからでしょう。
その中でも今回は販売促進に非常に高い効果を見込める「プッシュ通知」について詳しくみていきます。
目次
WEBサイトとアプリの違い
そもそもWEBサイトとアプリにはどういった違いがあるのでしょうか。
それは目的が異なります。
Webサイトの主な目的は「情報共有」です。
WebサイトとはWikipediaのように、情報の共有を目的としているものを指し、芸能人のブログや企業のホームページもWebサイトに分類されます。
(正確にはホームページとWebサイトはまた別のものですが、日本においては「ホームページ」=「ウェブサイト」という認識が一般的なのでこの記事でもその前提で話を進めます。)
一方、アプリ(アプリケーション)の主な目的は「ユーザーとの対話」です。
商品の購入や商品のレビュー、検索、買い物カゴに追加、などユーザーが積極的に操作できるものがアプリにあたります。
このような違いがあるWEBサイトとアプリですが、企業がアプリを導入する理由の1つは「プッシュ通知の効果に差がある」ことでしょう。
プッシュ通知
ではそのプッシュ通知について基本的な情報をみていきましょう。
プッシュ通知とは?
プッシュ通知は、スマートフォンやタブレットにアプリをインストールしてくれたユーザーに、情報を送る機能です。
アプリをインストールしてプッシュ通知を許可しているユーザーであれば、誰でも受け取ることができ、通知はロック画面で見られたり、Androidならステータスバー、iOSなら通知センターでも確認できたりするのが一般的です。
特定のユーザーだけに通知するのも簡単で、最近ではWeb通知といって、プッシュ通知が送られるサイトも増えています。
プッシュ通知の内容は、ショッピングアプリならセール、ゲームアプリならイベントなどのお知らせが中心です。
他にも数日間アプリを使っていないユーザーに起動を促したり、カートに入れたまま注文を忘れているとリマインドさせてくれたりする内容もあります。
プッシュ通知の種類
プッシュ通知には2つのパターンがあります。
- リアルタイムユーザーに届けるパターン
その日に予定しているキャンペーンやサービスを告知する時に使われるパターンです。
こちらの場合は、リアルタイムに届けないと効果がないため、ユーザーが迷惑だと感じない早朝や深夜などに配信するのがベスト。詳細の時間帯は店舗側で決めても問題ありません。
- リアルタイムではないでプッシュ通知のパターン
その月のクーポンや休業日のお知らせの時に使われるパターンです。
リアルタイムに届ける必要がない分、多くの人に向けて発信するのが得策です。そのため、時間帯はスマホをよく見る時間帯を狙った方が、開封されやすいでしょう。
プッシュ通知のデメリットと注意点
実はこの手軽にお客様に情報を受け取ってもらえる反面、デメリットや注意点はもちろんあります。
それはプッシュ通知が原因でそもそものアプリ自体をアンインストールされお客様が離れてしまう可能性があるということです。
プッシュ通知の手軽さは大きな利点でもありますが配信頻度を一歩間違えば、受け取っている側はうっとおしくなるのは当然です。
お客様の購買行動を促進するための機能にもか関わらず遠ざけてしまっては逆効果なので、プッシュ機能を運用するにあたって以下の2つに注意しましょう。
・配信は週に一度ぐらい
プッシュ通知は継続が大事だからといって、毎日同じ通知が来ると、新鮮味が無くなってしまいます。
頻度が高すぎると邪魔だと思われてしまい、通知をオフにされてしまう可能性があります。
告知の新鮮味を保つためにも、配信は週に一度ぐらいで抑えておきましょう。
それでもプッシュ通知が必須なワケ!
メリットやデメリットを十分に理解した上でもプッシュ通知が必要な機能となっているのはなぜでしょうか。
プッシュ通知が重要な理由
1つのアプリにつき、プッシュ通知を許可しているユーザーは4割前後いるといわれ、そのようなユーザーはアプリの起動回数も、そうでないユーザーに比べると多めです。
そこへプッシュ通知で一押しすれば、サービスの利用や商品の購入につながりやすいというわけです。
イベントにしてもセールにしても、常にアプリを利用しているユーザーでさえ、タイミング良く遭遇するのは難しいものです。
特に日にちでなく時間を限定しているものほど、気づかずに終わってしまう可能性が高いでしょう。
プッシュ通知によってユーザー側は必要なサービスを利用できますし、企業側は利用して欲しいサービスに集客しやすいのです。
また実店舗がある場合は、近くを通ったときにビーコンでプッシュ通知を送れるようにすると、ユーザーはその店に立ち寄ろうと思ってくれるでしょう。
ユーザーがスマートフォンを操作していなくても、通知で実店舗の存在を気づかせてくれます。
実際にプッシュ通知を停止すると、アプリのアクティブユーザーが減少したという調査結果が出ています。
今後もプッシュ通知は、アプリを運用する上で重要な機能といえるでしょう。
企業がアプリを導入する理由
先ほどWEBサイトとアプリの違いについてご紹介した際にも述べましたが、企業がこのプッシュ通知をアプリで運用することを好むのにも理由があります。
それはプッシュ通知機能の効果がWEBサイトとアプリでは大きく差があるからです。
通常時のWebサイトとアプリのアクセス数の差はサービスによるので一概には言えませんが、傾向としてはアプリの方がアクセス数が高くリピーターの数が多いです。
当社の調べでは、1.2倍〜1.5倍程度アプリの方がアクセス数が高い傾向にありました。
一方で、プッシュ通知を配信したときは普段のアクセス数が1,500程度のものが、プッシュ通知後に41000と急激にアクセスを伸ばす当社の事例があります。
実に27倍以上のアクセス数の増加です。
もちろん上記のプッシュ通知後のアクセス数の増加は1回限りの現象ではありません。
当社のデータですが、Webサイトでプッシュ通知後のアクセス数の増加は2倍程度にとどまることを踏まえるとアプリのアクセス数27倍以上の増加は圧倒的なものだと言えます。
このように企業アプリのプッシュ通知でアクセス数を劇的アップさせ、それを販促活動につなげようと思うのであれば、プッシュ通知や企業アプリの開発・運用実績がある当社をご検討下さい。
販促アプリ「Piece」なら、プッシュ通知を含めたランニングコストに配慮した運用が可能です。
アプリでのプッシュ通知を効果的に運用するためには?
そんなプッシュ通知を当社の事例であげたような効果を発揮するには様々な工夫が必要です。
ジオプッシュ機能
ジオプッシュ機能とは、特定のエリアの中に入った会員に対してプッシュ機能で通知を送ることができます。
Wi-Fiや位置情報などを使いジオフェンスという仮想の境界を設定しておき、ジオフェンスの中に入ったときに決められたアクションを実行します。
iPhoneユーザーならばよく使っている「リマインダー」という機能も、実はジオフェンシング機能を使ったもの。
特定の場所、時間になるとプッシュ通知を受け取ることができます。
ジオプッシュ機能を設定するためには、アプリ開発の際に周囲何mまでをジオフェンスとして設定するのかを決めておく必要があります。
実際にジオプッシュ機能を使う際の設定方法を紹介しましょう。
1. 範囲の設定
まずは通知を行う、ジオフェンスの範囲を設定します。
広く設定すれば多くの人に通知を送ることができる反面、該当する人は少ない可能性があります。
一方で狭く設定すれば通知を送る人は少ないものの限定的に送ることができるので通知内容に当てはまる確率が高まるでしょう。
2. アクションの設定
その次に通知のアクションの設定を行います。
端末を持つ人が設定したジオフェンスのエリアに入ったときに通知を行うのか、
エリアを出た人に通知を行うのか決めましょう。
3. 通知内容の設定
最後に大事な通知内容の設定を行います。
通知内容のタイトルや本文、画像などを決めます。
このとき、この通知を受け取った人の興味がわくようなものにするとより効果的です。
セグメントプッシュ通知で顧客の囲い込み
アプリ開発におけるセグメントとは、ユーザーを属性で分けることです。
つまり、セグメントプッシュ通知とは、ユーザーを属性で分けたうえで、特定のユーザーに対してプッシュ通知することを指、各ユーザーに適した役立つ情報をプッシュ通知できるのが強みです。
では、具体的にセグメントできる属性を見ていきましょう。
・ユーザーが住んでいる地域に合ったプッシュ通知をする
・ユーザーの趣味に合わせたプッシュ通知をする
・キャリア別にプッシュ通知する
・ショッピングの頻度に合わせてプッシュ通知する
・一定期間利用していない休眠ユーザーにプッシュ通知する
このように細かく属性分けすることによって、よりユーザーのニーズに合ったプッシュ通知が可能となります。
このセグメントプッシュ通知を活用すれば、アプリを長く利用していない休眠ユーザーに対しての定期的なアプローチも可能です。
セグメントプッシュ通知を効果的に取り入れるためには、ユーザーに役立つものを理解することです。
属性分けしたうえで、属性に合った情報を提供できれば、ユーザー自身も自分に役立つものだと感じるでしょう。
プッシュ通知のタイミング
様々は工夫を施しても、ユーザーに対してベストのタイミングでないと、見てもらえません。
告知を送ったのに見てもらいないなんて状況は避けるためにも通知の具体的なタイミングから開封率を上げる方法をご紹介します。
- ユーザーが一番スマホを見る時間帯を狙え!
アプリのプッシュ通知は、ユーザーが一番スマホを見ている時間に合わせるのが効率的です。スマホがよく見られている時間帯は、
正午ごろ・午後3時頃・夕方ごろの3つです。
なぜ上記の時間帯なのか。
それは平日は仕事をしている社会人にとって正午と午後3時頃の時間帯は休憩をしていることが多く、その合間にスマホを操作してる可能性が高いからです。
そして夕方は仕事が終わる時間帯です。
帰り道の電車の中などでスマホをを触っている人を見る機会が多くあるのではないでしょうか。
- 開封したくなる文言を!
1日に何通も色々なプッシュ通知を受け取るとすると、そのすべてに目を通しているとは限りません。
受け取った側は複数のプッシュ通知から開封するものを選択しているといえるでしょう。
では実際にそのプッシュ通知を選択し開封してもらうためには、開封してみたくなる文言を使用することが重要なポイントです。
受け取った側はまだ通知内容の詳細を詳しく把握できていない段階での唯一の情報だからです。
たとえば、緊急性のあることやキャンペーンに関してだと、見たい衝動を駆り立てられるでしょう。
もちろんユーザーにアプリをアンインストールされてしまうわないためにも、毎回同じ文言・内容は避けるのが得策です。
プッシュ通知の文言は、なるべく別のものを用意し、ユーザーに新鮮な気持ちで開封してもらえるように心がけましょう。
無料でプッシュ通知が使えるサービス
プッシュ通知の最大の特徴である「高い開封率」と「即時性」を活かした購買行動の促進を、まずは無料でお手軽に始めてみませんか。
Push7
Push7は、パソコン(Windows、Mac)、スマートフォン(Android、iOS)に対してプッシュ通知が可能なプッシュ通知サービスです。
ウェブサイトにJavaScriptのコードを貼り付けることで使用できるようになります。
・Windows、Mac、Android、iOSに対応
・導入する際にJavaScriptを貼り付ける必要がある
・料金無料
CORE PUSH
CORE PUSHは、端末数が100台まではプッシュ通知を何度配信しても無料のプッシュ通知サービスです。
・定額制のサービス(端末数100台までは無料)
・端末が100台を超えると月額料金の支払いが必要(端末数101〜25,000:11,800円/月、端末数25,001〜100,000:28,800円/月、端末数100,001〜:114,800円/月)
・リアルタイム通知、セグメント通知、位置情報通知など機能が充実している
・24時間問合せサポートがある
BPUSH
BPUSHは、OSS(オープンソースソフトウェア)として公開されており、無料で使用できるプッシュ通知サービスです。
・オープンソースで無料で使用可能
・GoogleChrome、Firefoxで使用可能
番外編
当社のStamp Card Pieceは、プッシュ通知機能を加えることが可能なスタンプカードアプリです。
メインはスタンプカード(ポイントカード)で、飲食店や小売店、マルシェ などでの使用を想定されており、来店促進に役立てることができます。
プッシュ機能以外にもクーポンの配信、フライヤーの記載、ビーコン機能やスマホ決裁を含む23の便利な機能があります。
アプリの機能をカスタマイズし、よりお客様の集客・囲い込みを行いたい場合などに最適です。
まとめ
いかがでしたか?
WEBサイトとアプリの相違点からプッシュ通知の概要、プッシュ通知が必須な理由に、より効果的に使用するためのポイントや無料でプッシュ通知が使用できるおすすめサービスなど。
この記事だけでプッシュ通知についてかなり知識を得たのではないでしょうか。
これを機に今回の記事を参考にながら、プッシュ通知を効果的に運用してみてください。