ECサイトやアプリなどオンライン上での買い物が普及してきた現在、買い物が以前に比べて格段に便利になりました。
オンラインで買い物をすると、ボタンを押すだけで商品が家に届くのでわざわざ店舗に出向く必要も減ってきたように感じます。
また、定期便などの存在で生活必需品などの買い忘れを防ぐサービスも登場しました。
このようにオンライン上で買い物が完結できるので、実店舗の存在意義は何なのかという疑問が出てきませんか。
しかし、実店舗には実店舗にしかないメリットがもちろんあります。
そこで今回は、実店舗とネットショッピングのメリットについて解説しながらECサイトと店舗の連携が必要な理由もご説明します。
今後さらにネットショッピングが普及していくと考えらるので、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
目次
ECサイトと実店舗の特徴やメリット
スマートフォンの普及によって、いつでもどこでもネットにアクセスできる時代になりました。
実際にECサイト(Erectoronic Commerce=電子商取引をするためのサイト)やECアプリを普段から使っている人も多いことでしょう。
一方で、実店舗で購入する人ももちろんいます。
それは、ECサイトにはECサイトの、実店舗には実店舗のよさがあるからです。
ではそれぞれ詳しくみていきましょう。
ECサイトの特徴
まずはECサイトの特徴からご紹介します。
- いつでもどこでも買い物ができる
ECサイトの一番の特徴といってもいいのが、この時と場所を選ばないということです。
自宅でも電車の中でも気になる商品があればその瞬間にみることができ、どこでも購入が可能です。
そして、実店舗の開店時間や閉店時間を気にすることなく365日24時間、自分のタイミングでショッピングができるというのも便利ですね。
- 商品の比較が可能ができる
仮に購入する商品が最初から決まっている場合も、ネットショッピングをしている中で見つけた場合も、その商品の類似するものや値段の比較を簡単に行うことができます。
一方で、商品の比較が簡単にできてしまうからこそ、企業は「自社の」商品を消費者に購入してもらえるような工夫をこらさなくてはいけません。
また、クーポンやポイントを使用してオンライン上での購入のほうが安くなるというのもよくあることですね。
このように実店舗よりお得に買い物ができることが成り立つ理由と次にあげるものと関連性があります。
- コスト削減
そして、企業側のメリットとして挙げられるのはこのコストを削減することができるということです。
具体的には実店舗に必要とされている人件費や、店舗の家賃などの経費削減です。
このように費用を抑えつつ、場所にこだわらなくていいため、オンラインを利用することで簡単に全国展開もできますね。
さらにECサイトを複数言語での対応させれば、日本だけではなく世界進出も夢ではありません。
実店舗の特徴
次は、実店舗の特徴をご紹介します。
- 商品を手に取れる
実店舗では欲しい商品を実際に自分の目で、手に取り確認することができます。
求めている商品のイメージと実際の商品が異なるというのはよくある話です。
商品の色見や材質、サイズ感はしっかりと確認することができるのはメリットです。
特に、靴など商品ごとにサイズ感・フィット感がことなるジャンルの商品は購入後の満足度をあげるためにも実店舗で確認することをおすすめします。
- 消費者とのコミュニケーション
これは企業側にとって重要なポイントといえるでしょう。
みなさんのなかにも、ショッピング中特に目当てのものは決まっていない状態でも気になる店舗をのぞいてみることはあるとおもいます。
その中で、店舗には従業員がいてその消費者におすすめの商品や消費者に合わせて商品をアドバイスすることができます。
この消費者と従業員のコミュニケーションは消費者の購買行動に影響を与えるきっかけとなります。
ECサイト上でも、購入商品の類似商品やリマインド機能などが存在しますがこれらはいつでも確認ができてしまいます。
しかし人と人とのコミュニケーションでしか心をうごかせないこともあるのではないでしょうか。
- 価格競争に巻き込まれにくい
こちらはECサイト側のメリットの裏返しともいえるでしょう。
実店舗の場合だとECサイトのように検索すればブランド関係なく類似商品が横並びで表示されるということがありません。
よってECサイトに比べて適切な価格設定を行うことができます。
つまり、消費者も製造者も商品を売る企業側も満足のいく価格で販売しやすいということですね。
オンラインとオフラインの連携でOMO戦略
今まで、ECサイトと実店舗それぞれの特徴やメリットを解説しました。
この双方のいいとこどりをすれば、消費者にとっての購買行動はより便利になりますよね。
そこでご紹介したいのがOMO戦略というもの。
そもそもOMOとは「Online Merges with Offline」の略で、一言で表すとオンラインとオフラインの融合ということです。
そして、OMOはオンラインとオフラインの両方で取得し蓄積されるデータを利用して2つを融合させる目的があります。
今回でいうと、ECサイトと実店舗のオンラインとオフラインの連携をすることで、消費者の行動のプロセスだけではなく様々なUX(ユーザーエクスペリエンス)を向上することが可能です。
このOMO戦略を行うことで、ECサイトと実店舗の強みはかけあわせ、弱みを補うことができるでしょう。
次にこの連携で得られる効果をご紹介します。
ECサイトと実店舗の連携で得られること
前述した、OMOの特徴である特に双方の「データ」の活用をおこなうことでいったいどんな効果が生まれるのでしょう。
今回は3つの効果をご紹介します。
購買行動の多様性
先ほどのECサイトではいつでもどこでも買い物ができるという点と、実店舗では商品の確認を行うことができるという点をかけあわせることができます。
店舗でほしいものを探すとなると時間と労力がかかってしまうので、
そんな方はECサイトで自分のスキマ時間で商品のめぼしをつけます。
そしてそのあと、自分のイメージとの相違がないか、実店舗で商品の確認をおこなうのが一般的な購買行動の流れです。
さらに、同時に実店舗では従業員が消費者とのコミュニケーションがとれることに関連するように、他の商品も「ついで買い」するように購買行動を刺激する事ができます。
このように、消費者が商品を探すためのインフラとしてECサイトの提供をし、商品の販売のアプローチを実店舗でおこなうという役割をわけることができますね。
顧客情報の連携:ポイントカード
ECサイトと実店舗を連携することで顧客情報の共有を可能にし、効果的な販促行動をおこなうことができます。
まずは、顧客情報のポイント履歴の連携です。
最近では多くの店舗でポイントカードというのを導入していますが、このポイントカードの存在が消費者の再来店を生むきっかけになります。
同じような商品でもお得なクーポンやポイント利用に活用できるポイントを配布しているお店での購入の検討するのはごく自然な事です。
そして、このポイントカードは同じブランドであるのならばECサイトでも実店舗でも両方に取り入れるべきでしょう。
先ほど、ECサイトと実店舗の役割をわけることができるとお話ししました。
しかし、日々忙しい方は商品を実店舗で確認する時間すらない方も多くいるでしょう。
そういう人々にとっては、ECサイトのほうがオンラインで購入まですべてが完結するので便利ですが、実店舗でしかポイントがつかないとなると不公平で不満も生まれます。
ECサイトでの購入を好む人も、最終的には実店舗での購入を好む人も、両方への対応をしていくことが企業イメージやお客様満足度向上に貢献するでしょう。
顧客情報の連携:購入履歴
次に活用できるのは消費者の購入履歴です。
例えば、さきほどのようにECサイトで商品を探し実店舗で購入するという消費者モデルの場合、この実店舗での購入履歴をECサイトでも共有します。
すると、ECサイト上で消費者の購入履歴に基づいて類似商品の紹介や、似ている系統の商品をおすすめすることができます。
1度の商品を購入するという行動で終わらせずに再来店につなげるためにも、それぞれに合わせてOne to Oneマーケティングを可能にします。
また、消費者自身も購入履歴をECサイトで見れるようにすれば、満足度が高い商品をリピートするかもしれませんね。
実際の成功事例
それでは次に実際にECサイトと実店舗の連携で成功した事例をみていきましょう。
Staff start
こちらはまさに、ECサイトと実店舗に所属している従業員との連携が行われています。
従来はECサイトなどのオンライン上に実店舗の従業員の存在が介入することはありませんでした。
しかし、このサービスは従業員がオンライン上のデジタルでも販売に携わるというものです。
具体的には、主にアパレルブランドの販売員が実際の商品を着用した画像をSNSで個人や各ブランドのアカウントなどで投稿します。
着用したもの含む商品の下げ札にはバーコードが印刷され、投稿する際にこれをスマホで読み込むことで商品が売られるECサイトへのURLを紐づけることができます。
アパレルという特徴もあってか、商品単体だけでなくコーディネートを参考にし足りないものを購入する方はまるごと購入する方もいるとのことで消費者にとっては非常に便利です。
従業員側にも自分の投稿を経由して商品が売れた場合は売上の数パーセントがインセンティブとして給与に反映させることもできるのでモチベーションにもつながりますね。
アイメガネ
こちらの企業が実施しているのECサイト上でのメガネフレーム・サングラスのシミュレーションです。
ECサイトで気になる商品を見つけ、フレームとレンズを選択する事で画像イメージや値段の見積もりが可能。
また、これに関連して無料試着ができるサービスも行っています。
ECサイトで気になった商品を試着ボックスに入れて、試着する場所を自宅か店舗かを選択します。
自宅で試着する場合は無料で希望した商品が登録した住所に届きます。
そこで試着をしてみて気に入らなかった場合の返送料も無料です。
もし気に入れば試着した商品を持参して最寄りのアイメガネで同じものを購入といういう流れです。
メガネという特性上視力検査やレンズの微調整を必要とするためにECサイトでの購入はできないとのことですが、事前に試着をしておけばあとは調節のみでスピーディに商品を購入することができるでしょう。
また、店舗にしろ自宅にしろ、消費者が試着した商品のデータをもとに実店舗にも商品を用意するので、わざわざ行ったのに在庫がなくて購入できなかったという事態も避けられますね。
このように、OMO戦略でECサイトと実店舗を連携することでStaff Startでは店舗の販売者がオンライン上に介入するという新たなサービスを。
そしてアイメガネでは自宅でメガネを試着するという一風変わった体験ができます。
まとめ
いかがでしたか。
今回はECサイトと実店舗療法の特徴メリット、そしてそれを融合させると得られる効果を実際の活用事例を交えながらご紹介しました。
重要なのは、これからの時代はECサイトだけの運営や実店舗だけの運営も不十分ということです。
双方の得意な分野を組み合わせて効果を最大限にしながら苦手な分野を補っていくためにもECサイトと実店舗の連携は必要不可欠になるでしょう。
そして他店との差別化のためにも消費者にとっての利便性や印象に残る斬新なサービスの展開をより一層行って販促行動を促進していきましょう。