アプリ開発を初めて行う企業の場合、製作スケジュールを立てる段階で失敗しがちです。
直前になってリリース予定に間に合わなくならないように、アプリ製作にとりかかる際のスケジュールの基本と開発手順ついてご紹介します。
目次
アプリ制作の基本スケジュールの立て方は?
1.委託先会社を決める
アプリに関する専門的な知識がない場合、アプリ開発会社に外注することになるでしょう。
その際はアプリ制作の目的・ターゲット・必要な機能を大まかに決めたうえでいくつかのアプリ開発会社に相談します。
会社ごとに料金や契約パターン(請負or準委任or派遣)が異なるので一度確認しましょう。
2.企画書の制作
どんなアプリを作るか詳細を決めた企画書を制作しましょう。
アプリを開発する理由やターゲット層(ペルソナ)、アプリの利用者にどんな行動をとってほしいかや、プラットフォームなどの細かい項目も設定してください。
情報を発信したいのか、購買意欲を高めたいのか、目的やコンセプトによって搭載する機能は異なります。
ユーザーインターフェイスやAndroid、iOSといったプラットフォームもターゲットユーザーによって変わるでしょう。
3.企画~運用までの進め方を決める
企画から運用までの進め方は、主に「アジャイル型」と「ウォーターフォール型」の2パターンあります。
「アジャイル型」とはアプリのデモテストを頻繁に繰り返しながら、アプリの仕様・機能を少しずつ肉付けする方法です。
一方「ウォーターフォール型」は、前もってアプリの概要と機能を決めた上でデモテストを繰り返す方法で 、デモテスト時に不都合を発見するたびに修正していくイメージです。
なお、アプリの概要・開発業者によって企画~運用までの進め方は異なりますのでご注意ください。
4.本運用をする
デモテストでアプリの異常がない状態を確認できたら、本運用を開始しましょう。
ただし、本運用を行ってもアプリに不具合が起こることはあります。
運用開始後のエラー解消のために、運用・保守の準備もお忘れなく。
アプリ制作の流れ 開発前
アプリの基本的なスケジュールの立て方についてみてきました。
次はリリース日やテスト開始予定日など、マイルストーン(スケジュール上でひとつの区切りとなる日)を決めてから全体のこまかなスケジュール作りを行います。
必要なタスクのあぶり出し
まずは必要なタスクの把握です。
どのようなタスクをこなす必要があるのか、ひとつひとつあげていきましょう。
例えばアプリの目的や詳細の検討、企画書の作成、要件定義、仕様書の作成、素材やレイアウトの決定などがあげられます。
必要なタスクの中でもアプリの目的や詳細を検討するためのヒアリングは非所に重要な役割を担っています。
何度も打ち合わせを重ねることでようやく出てくる要望や共有しておきたいゴール地点の展望もあるはず。
取りこぼしのないよう、イメージどおりのアプリを完成させるためにも、以下の5点を確認しておきましょう。
・目的
・予算
・機能
・デザイン
・要件定義(絶対に必要なものや性能)
アプリ開発でまず共有するのが、目的です。
そのアプリをリリースして企業としてどのようなメリットを得たいと考えているのか、今後はどのように展開していくつもりなのかを確認します。
目的を伝えずに導入したい機能や予算、スケジュールの話ばかり進めると、「機能は充実しているのに使いたい場面で役に立たない」アプリになってしまいます。
もし説明が難しいときは「何故この機能を導入したいのか」を伝えると分かりやすくなるでしょう。
もちろん、目的だけではなく予算やスケジュール、機能やデザインもしっかりとヒアリングで伝えましょう。
実際にあがってくるデザイン案が企画担当者のイメージに合う可能性は低いものです。
よりこまかく「イメージカラーはピンクで、ペルソナはこんな女性」など、具体的な要望を出しましょう。
ヒアリングで最も重要なのは、要件定義の確認です。しかしヒアリングで認識のズレが生じやすい部分でもあり、クライアントの希望どおりにいかない原因になることも多いです。
基礎 となるアプリをカスタマイズするPieceなら、アプリを製作しながらでもイメージに近づけることができます。
ヒアリングを重ねても共有が難しい要件定義は、Pieceでカスタマイズしながら明確化していくのはいかがでしょうか。
各タスクにかかる作業工数の設定
次に、あげられたタスクそれぞれにかかる作業工数の設定を行うのですが、重要なのはスケジュール管理者だけではなく、実際に作業する人間の意見を取り入れることです。
正確なスケジュールを立てるには、相談者は多いほうが良いでしょう。
この時点でスケジュール的に余裕が少なかったり、作業工数が明確にならなかったりするときは、マイルストーン内に作業が終えられない可能性も考慮します。
人員を増やすか、各タスクを複数の担当者で並行して進めるのか解決策も用意しておく必要があります。
タスクの優先度の選定
ようやく具体的なスケジュール立てに入るのは、ここからです。
各タスクの作業担当者を決める前に、それぞれの関係や優先度を決めます。
注意点は優先度の決定だけではなく、タスクごとの関係も整理することです。
優先度だけを見ていると、「Aのタスクを早めに終わらせておきたいのに、連携するBのタスクを終えていないとAのタスク自体が完了しない」事態が起こり得ます。
このタスクを終えるには、最低どのタスクを先に終えるべきなのか、人員を割きたいタスクはどれなのか、明確化しておきましょう。
担当者の決定と最終確認
タスクの優先度や関係を把握したら、それらの情報をもとに実際に担当者を決め、スケジュールを立てていきます。
先に大まかに決めたリリース日などのマイルストーンに加え、タスクごとのマイルストーンもこのときに決定しておくとスケジュール管理がしやすくなります。
最後にスケジュールに無理はないか、ひとりの担当者の作業量に偏りはないかをチェック。
問題がなければこれでアプリ開発にはいります。
アプリ制作の流れ 開発
次はアプリの「開発」です。
計画を元にアプリの設計では具体的なアプリの構成やボタンの動作、画面の遷移などを決めます。
そしてその設計を基にプログラミングコードを記述するコーディングという作業を行います。
一般的にAndroidのアプリを開発するには「Android Studio」、iOSは「XCODE」というパソコンのソフトウェアを使用します。
開発言語は前者がJava、後者はSwift(またはObjective-c)で、ブラウザ上で動作するWebアプリならHTML、CSS、Javascriptで開発します。
アプリの開発をするにはこれらのソフトウェアや言語に精通している必要があり、初心者だけで完成させるのは非常に困難です。
さらに複数のプラットフォームに対応させるなら、それなりの人材と時間、費用が必要で、効率的にアプリを開発するためにもアプリ開発業者に依頼することが多いのが現状です。
アプリ開発業者に依頼するとアプリの設計からコーディング、テストまですべて行い、依頼する側は定期的に開発の進捗状況を確認するくらいでしょう。
アプリが完成したらGoogle PlayやApp Storeでの審査、公開の手続きまで代行してくれるアプリ開発業者も存在します。
ただし外部に依頼するときは的確に意向を伝えるため企画書や仕様書が非常に重要です。
意思疎通が失敗し思っていたアプリが作れなかったということを避けるためにもアプリ開発会社Pieceがおすすめです。
あらかじめ搭載できる機能がモジュール化されているので、依頼する側が必要な機能を選ぶだけで計画どおりのアプリを開発が可能。
さらに費用は搭載した機能の分だけという分かりやすさです。
【番外編1】iPhoneとAndroidを両方開発するときは?
多くのユーザーを取り込むには、iPhone用とAndroid用の両方のアプリ開発が必要です。
ここで気になるのが開発工数の問題ですが、2タイプ製作するからといって必ずしも開発工数が2倍に増えるとは限りません。
当社が提供するアプリ製作パッケージPiece なら、ネイティブ言語での開発を手軽に行うことができ、実質ハイブリッド開発と同じ工数での作業が可能です。
iPhone用とAndroid用を同時開発をし、必要な機能を選んで追加するだけなので、高い機能を持ったアプリも難なく作成。
実は、これが意外と重要です。
一般的にiPhone用のアプリのほうがAndroid用アプリより開発コストが安く済むという見方があります。
iPhoneは最新OSやその前バージョンを利用しているユーザーが多いのに対し、Androidユーザーは3世代ほど前のバージョンを利用している場合もあるためです。
つまり、OS対応の手間だけでもAndroidのほうが多くかかってしまいます。
PieceはiPhone用とAndroid用を同時開発できるように製作されたパッケージのため、OS対応で手間取ることも、スケジュールが2倍に伸びる心配もありません。
作業日数に比例して増えるコストを、大幅にカットできる点も大きなメリットです。
~アプリ検証~
リリース前は期待値が大きかったのに、いざリリースが始まるとすぐに不具合発覚で長期メンテナンスに入る。評価や人気が急落するアプリの典型例です。
そうならないためにも、アプリ検証サービスを活用しましょう。
アプリ検証サービスとは、スマートフォン用アプリの動作になんらかの問題が起こっていないかを検証するサービスです。
リリース前のチェックだけではなく、リリース後に定期的に検証と報告を受けられるタイプのサービスもあります。
アプリ検証サービスの基本的な内容は、アプリ自体の問題の有無、最新機種やOSへの対応可否、特定の機種のみに起こる不具合の確認のこの3点が中心です。
他にも例えば以下の確認も行います。
・リリース前の操作性や性能などの検証
・仕様書どおりの動作となるか確認
・システム全体の動作や不具合の検証
・あらゆる機種ごとに不具合の洗い出し
・オンラインとオフラインの切り替え動作確認
・移動時や混雑している場所など日常シーンごとの検証
アプリ検証サービスを利用した確認や検証すべき項目はアプリによって異なるので取捨選択していくとよいですね。
また、リリース前だけではなくリリース後にユーザーの報告やストアのレビューで判明する不具合の確認にも、検証サービスが役立ちます。
報告された機種やOSのスマホを開発業者側が所持していれば良いのですが、すべての端末を開発業者が用意するのは困難です。
しかし検証サービスを利用することでこれらの問題を解消し、スピーディーな不具合の特定につながります。
アプリ制作の流れ 運用
最後の手順はアプリの「運用」です。
アプリは公開したら、それで終わりではありません。
リリースを無事に終えても予想しなかった不具合が報告されたり、ショップの場合はクーポン発行したり、更新作業が必要です。
運用はアプリ開発会社が行うのか、自社で行うのかもアプリリリース前には決定しておかなくてはならないでしょう。
とくにリリース直後やアップデート直後、OSのバージョンアップ直後は問い合わせが集中しやすくなります。
自社で解決できないようなシステム的なトラブルはどのように対処するか、開発会社へ確認しておきましょう。
運営の対応力やその後のスムーズなアップデートで高い評価を得て、長く利用されるアプリを製作するためにも、ヒアリング時はリリース後についての打ち合わせもしっかりと行ってください。
また、コンテンツの更新が少ないとユーザーは飽きてしまい、アプリを利用してくれなくなるでしょう。
そこでどこかしら変化があると次に何が起こるのか楽しみになります。
特に「ホーム」はユーザーが最初に目にする画面なのでお知らせやリコメンドなど新鮮な情報で引きつけましょう。
できれば毎日コンテンツを更新できるとユーザーも習慣的にアプリを利用してくれます。
【番外編2】アプリの運用が決まったら
アプリの運用が決定したら社外と社内に向けての準備するべきことがあります。
- 社内に向けて
社内に向けて準備するべきことは「アプリの告知」です。
社員にアプリの存在を知らせることでユーザーからの問い合わせ対応が発生した時も、各社員がスムーズに対応できます。
さらに、社員の家族や友人などいろいろな人にアプリを広めてもらえればアプリの利用者増にもつながるでしょう。
- 社外に向けて
社外に向けては「プレスリリースの告知」が大事です。
アプリの運用開始前に新アプリのリリースを宣伝すると外部からの注目度を集めやすくなり、宣伝効果が期待できるからです。
運が良ければ新聞やテレビなどで取り上げられる場合も。
会社によっては、プレスリリースの他に宣伝広告(電車内や商業施設内の広告、SNS広告)を利用して新しいアプリの誕生を告知するケースもあります。
ただし、上場企業の場合はプレスリリースの告知内容・タイミングが自社の株価を大きく変動させる恐れもあるためご注意ください。
まとめ
今回はアプリ開発のスケジュールをご紹介しましたがいかかでしたか。
もっと詳しくアプリ開発の手順を知りたい方はアプリ開発の手順を網羅したアプリ開発虎の巻がおすすめです。
専門知識も経験もない状態で一からアプリを開発するとなると難しいですが、企画書やデモ作成は自社で行うなど工夫をすればコストをなるべく抑えることができます。
ぜひこの記事を参考にしてアプリ開発に役立ててみてください。