2021年5月博報堂DYメディアパートナーズのメディア環境研究所が行った「メディア定点調査2021」によると、若い世代によるスマホ所持率はかなり高いことが発表されました。
男性の15~19歳のスマホ所持率は98.3%、20代は100%そして女性は15~19歳と20代どちらも100%という結果がでました。
大学アプリの必要性は「あったら便利」から「ないと不便」に変化しています。
そこで今回は、大学アプリの概要と開発するときに盛り込みたい要素、実際に大学アプリ活用でうまくいっている事例を紹介します。
この記事を読めば、これからの大学アプリ開発に必要なことは何か?が明確になるでしょう。
アプリの導入・運用に頭を悩ませている担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
目次
大学アプリとは?
大学アプリとは、大学が学生や受験生向けの利用を想定して開発されたアプリのことです。
学生とコミュニケーションをとったり、大学からの情報発信などに用いられます。
大学ごとにアプリの特徴は異なっており、大学のカラーがアプリにも反映されているものが多いです。
また、近年少子化のため、大学入学者数も少なくなっていくことが考えられます。
その状況の中で学生を呼び込むためにも、利便性が高く、かつ他大学と差別化できる要素などを盛り込んだアプリが増えてきています。
大学による情報発信の現状
新型コロナウイルスの影響で、ほとんどすべての大学でオンライン授業が行われています。
株式会社デジタル・ナレッジが実施した、全国の大学の教職員100名を対象に取ったアンケートによると、オンライン授業の実施率は97%という数値が出ています。
オンライン上で授業や情報発信、学生とのやり取りを行う必要がほぼ確実に必要となってきているのが現状です。
そんな中、今まで大学が行っている情報発信方法は
・大学のホームページに掲載
・学校専用のメールアドレスに連絡
等が一般的でした。
学内の掲示案の利用は、コロナウイルスの影響でほとんど機能しません。
また、ホームページに掲載するだけでは学生が気付かず、重要な連絡をしっかりと周知できるのかという点にも不安が残ります。
メールアドレスに関しても、開封率が悪かったり、ほかのメールと混同しやすいこともあり、重要な連絡を見落としてしまう可能性が高いです。
オンラインが一般化したことと、正確に伝えるべき情報を伝える手段が少ないことから、大学アプリを導入することは必須といえるでしょう。
大学アプリに必要な要素とは?
では、大学アプリを開発・運用するにあたって必要な要素にはどういったものがあるのでしょうか?
少子化の影響もあり、大学も学生数を確保するため、他大学との差別化を図り学生に魅力を感じてもらうことがより強く必要となってきています。
独自性やコンテンツが大切
大学独自のカラーを出すため、他大学のアプリとの差別化やコンテンツを充実させることが大切です。
アプリ開発は一から行うとかなり労力がかかるため、簡単に作成できるパッケージアプリというものも利用されてきています。
例えば、GMOデジタルラボ株式会社が提供するアプリでは、パッケージが組まれており、アプリ開発を簡単に行うことができます。
実際に麻生専門学校のアプリが事例として紹介されています。
しかし、こういったアプリは簡単に作成できる一方、カスタマイズの幅が制限されていることが多く、独自性やオリジナリティ、大学独自のカラーを出していくことが難しいです。
学生に大学独自の魅力をしっかりと伝えられるアプリにするには、ある程度独自にカスタマイズを加えられる開発方法をとるのが良いでしょう。
盛り込みたい機能
大学アプリに盛り込むべき機能として少なくとも盛り込みたいのは以下の機能です。
・双方向コミュニケーション
・授業/時間割管理
・大学施設の利用予約
・地図
・イベント(学内/就活)情報の発信
・入試情報の発信
上記のような、日ごろの学生生活などで利用する機能は必須といえるでしょう。
特にプッシュ通知機能は、学生に必要なタイミングで重要な連絡を通知することができるため、重宝します。
さらに、上記に加えて取り入れたいのが、LMS(Learning Management System)の機能です。
LMSとは、簡単に言うとインターネットを通じてe-learningを配信するプラットフォームのことです。
LMSを専門に扱う株式会社プロシーズのHPでは、LMSについて、
主な機能としては、「受講者と教材の管理」と「学習進捗の管理」機能を持っており、「どの受講者にどの講座を割り当てるか」、「どの受講者がどれくらい講座を進めているか」といった学習管理を行うことができます。
引用:LMS(学習管理システム:Learning Management System)とは
との記載があります。
大人数の受講者の進捗や成果を把握しやすくなることができ、オンラインでの学習が進む今の時代には必要不可欠になってくるシステムだといえるでしょう。
大学アプリの導入事例を紹介!
実際にアプリを導入している大学の事例を見ていきましょう。
大学独自のカラーを出して、学生に使ってもらえるように工夫が凝らされてモノがそろっています。
大学アプリ開発の際にはぜひ参考にしてください。
青山学院大学|らいふいんあおやま
青山学院大学では、在校生向けに有益な情報を発信するアプリをリリースしています。
「PUSH通知」機能により、学内の最新ニュース・学校からの連絡が届きます。
「学生掲示板」では、部活動やサークルなど、課外活動の情報を把握することもでき、アプリを利用してキャンパスライフを充実させられそうです。
関西大学|モバイル関大
関西大学の提供する「モバイル関大」というアプリも、在校生向けの機能が備わったアプリです。
・学校の最新情報
・教室の場所が分かるマップ
・学内施設の地図
・成績紹介
・授業に関する情報
など、学生生活を送る中で不可欠な情報をアプリで確認することができます。
大学では授業によって教室が違うため、スマホから場所まで手軽に確認できるアプリがあると、授業に遅れる心配もありませんね。
慶応義塾大学|慶應義塾大学 受験生向けアプリ
慶応義塾大学では、受験生向けのアプリをリリースしています。
入試情報や進学イベントの情報を発信するために使われることが多く、アプリ内では地図や校舎、食堂などキャンパス内の詳細な情報を調べることができます。
さらに詳細な情報を知りたい際は、アプリから直接資料請求を行うことも可能です。
大学に足を運べる機会が少ない受験生にも大学の魅力をしっかりと伝えるための工夫が凝らされたアプリといえるでしょう。
【番外編】立命館アジア太平洋大学|FIFA
立命館アジア太平洋大学の学生による、学生のためのWEBサイトです。
学生の広報スタッフ(通称SPA)が考えた特集や、サークル・部活動などのイベントの告知、学生に対するインタビューなど、学生生活の中で役立つ情報を発信するWEBメディアです。
アプリではないですが、FIFAの例に挙げられるように、学生が主導となって創り上げるサービスは、利用者目線になっていることが感じられます。
アプリ開発を行う際は、学生目線を忘れずに機能の設計などを行っていくことが大切です。
まとめ
今回は、大学アプリとはどういうものなのか?というところから、必要な要素、実際の事例まで紹介しました。
オンライン化がどんどん進んでいるため、学生向けに使いやすいアプリを提供することは、大学側にも求められています。
プッシュ通知機能をはじめとした基本的な機能に加え、大学独自の特徴をしっかりと伝えることができるようなコンテンツなどがあるとより良いです。
安価なテンプレートアプリではなく、ある程度カスタマイズできるものを選び、開発を進めてくことをおすすめします。